以下は、昨年の今日の再掲記事になります。今年はお彼岸の墓参りを母の誕生日である24日にずらすことにしました。 

 

 

 昨日は母が亡くなって初めてのお彼岸のお墓参りに行ってきました。

 

 いつものように猫がお出迎え。猫と同じ目線に身を低くしてしゃがんでいるわたしの前を横切るとき、こちらを見てニャーンと二回鳴いて、通り過ぎてゆきました。

 ちゃんと挨拶だけはして、なんらとらわれることもなく、通り過ぎていったのが印象的でした。

 

 

 お墓を訪れるのは、昨年のクリスマスの日に四十九日法要と納骨を済ませて以来ですが、あまり掃除する必要もないほどきれいになっており、お花を供え、水を墓石にかけて、父母に感謝の辞を述べ、気持ちよくお参りを済ませることができました。

 

 帰りにまた猫が出てきて、お見送りしてくれ、ふと気づくともういなくなっていました。ほんとうにフシギな猫ですこと……。

 

 近くの和食レストランでおいしく食事をしてくつろぎ、帰途に就きました。車の中でめったに聞くことのない(ほんとうに年に一二度くらい)ラジオのスイッチをONにしました。

 

 二三の局を選局するも、周波数が心地よくないため、もっとフィットするのはないかとチューナーのHz数を変えてゆくと、ぴったりと来る局に出会うことができました。

 

 男性ふたりの語り口がまったりとしていて、妙になつかしい気分にさせられるんです。はじめは、ゲスト出演者のお気に入りの曲として、ずいぶんと古いスピッツの歌が紹介されたりしていましたが、いつのまにかひとり語りの世にもフシギな『怪談ばなし』となって…。

 

 

 

 あるひとが起業したんですって。その業種がまた変わっていて、警察の拘置所に拘置されているひとに食事を提供する会社であるということです。業績が伸びるよう神頼みをすることにし、近くの稲荷神社に願掛けをします。新しく入社してきた従業員に小さな女の子連れの社員がいて、その子はすっかり社長になつきます。

 

 あるとき新規参入会社が現れ、くじ引きとなりますが、結果は○を引くことができました。当たりくじを引くということが三回までもつづいて、社運は上昇してゆきます。もしかしたら、お稲荷さんのお蔭かもしれない…。そうおもっていると、ある日、例の女の子が社長さんを見て、「怖い」といって寄りつかなくなります。「どうしたの」と訊ねると、「後ろに怖いおじさんがついてる」のだということです。その容貌がどうやら「鍾馗(しょうき)」さんみたいだということもわかりました。

 

 そういえば、わたしが幼い頃に飾ってもらっていた端午の節句のお人形さんたちの中にこの赤ら顔で髭もじゃで恐ろしい忿怒相(ふんぬそう)をした「鍾馗(しょうき)」さんがいたということを思い出すとともに、もうひとつ重要とおもわれる記憶がよみがえりました。それは、亡き母が生前、わたしに語ってくれたことです。ときどき母の夢枕に大昔の装束を身につけ、仁王立ちした神様のような存在が現れ、母の名を呼び、叱るのだそうですが、その顔がとっても恐ろしくて、「鍾馗さんのよう」だと言っていたのです。

 

何十年も出してあげていなかった五月人形の鍾馗さんを今日暗くなってから出してお顔の薄紙の覆いもとりました。今年こそは飾ります。〈右手は太刀をとるはず。探さなきゃ〉3/21 PM7:27

 

 わたしは不思議な気持ちになりました。だいたいラジオなんか車の運転中につけたためしがありません。少なくともこの四年くらいは。

 それが突然、ラジオを聞こうとした、というのも考えてみれば、おかしなことですが、その内容もお彼岸の今日、お墓参りに行ってきた帰りにまた母のことを想い起させる内容でした。

 

 そもそもこの聞きなれないスポンサーの番組を放送している局はほんとうに存在しているのだろうか、という気がしてきました。

 

「ああ、それはかつて昭和四十年代くらいに存在した局ですが、現在はもうありませんね。そこで活躍していた方々はみんなお亡くなりになっています」

「ええ!?しかし、なんでそんなものを受信してしまうんでしょう?」

「いや、ときどき受信してしまう方はあるようですよ。どうもまだ三次元と四次元の間あたりに残存し、たゆたっているみたいです」

「まさか…」

「いや、そういうことが実際あるということですから。なぜそうなるのかわからないんですが、波長が合うとね、受信してしまう方がいらっしゃるようなんですよ」

「…そんなことあるんですかねぇ」

「はい」

 

 (ときどきザーッと、ノイズの音がして、聞こえなくなる)

 

「現在は存在していないはずの局の周波数が残っていて、受信してしまう。いわば霊界ラジオ、とでもいいますか。そこに次元間をまたいで波長が合ってしまう。ただそれだけのことなんですよね?」

(そんなこと訊かれてもわかるわけないじゃないか)「波長がね。霊界ラジオ…ですか。霊界に心の波長(波調)が合ってしまったときに…」

「ええ」

 

 

 なかなか得難い経験ができ、今日は不思議な日だったなあ、とおもったんですが。

 

 あとで調べてみると…ありました、ありました。

 

うちの奥さんも、ありますヨ(実在します)。私の作り話でなく…。写真出すの初めて承知してくれました^^;;

   

 82.8МHz。エフエム鎌倉。どうやら幻ではなさそうですね!(笑)

 

■元記事

しじまの時間アーカイブスより

 

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