ネット恋愛時代。「メール美人」「メールイケメン」になって、恋を制そう! | 国際そのほか速

国際そのほか速

国際そのほか速

ネット恋愛時代。「メール美人」「メールイケメン」になって、恋を制そう! メールやSNSを通じて恋を育む男女も増えている時代。ネットで初対面を交わす場合、写真も大切ですが、特に「文章」の雰囲気はその人の印象を決める最重要ポイントです。言ってみれば、「メール美人」「メールイケメン」かどうかで、会ってみたいかどうかが決まるケースは多いのではないでしょうか!? もちろん「会ってみてガッカリ……」なメール“だけ”イケメン(美人)というケースもあり得るでしょうから(汗)、いいと思った相手には早めに会ってみるといいと思いますが、まずは文章で好感を持たれなかったら、ネット恋愛では、会う段階にもこぎ着けませんよね。
 
 

「想う」よりも「思う」がベター!? 気取らない、考えすぎない文章が一番!


 では、どんな文章がいいか。「長過ぎる文章はNG」「自分の事ばかり書かず、相手のことも尋ねる」なんてアドバイスはよく見かけますよね。てもこの辺りは個人差も大きく、淡白な短いメールよりも読み応えのあるメールが好きな方もいますし、自分の話がなくこちらへの質問ばかり書かれているメールが退屈だな、と思う方もいるでしょう。このあたりの価値観はそれぞれなので、確固たる正解はないと言えそうです。
 
 さりながら、言葉のプロたちのアドバイスを1つだけ取り入れるとすれば、「気取りすぎないこと」「あまり企まない文章」を心がけるといいかもしれません。異性とのメールではつい考えすぎた文章や、普段より気取った口調で書いてしまうことも少なくないですが、文豪・森鴎外の娘である森茉莉さんと吉行淳之介さんという大作家どうしの対談では、終始「気取りすぎない、素直な言葉遣いのよさ」を語っています。
 
 例えば、森さんは「想う」という漢字が嫌いで、どんなロマンティックなときでも「思う」と書くと語ります。「想う」は気取りすぎる印象があるし、なんだか感情を押しつけてくるような感じがあって嫌だな……と感じるからだそうです。確かに、「今日ふと○○さんの事を想っていました」というのと、「今日ふと○○さんの事を思っていました」というのでは、後者のほうが押し付けがましくなく、妙なナルシズムもなく爽やかに感じますが、皆さんはいかがでしょうか。
 
 他にも森さんは、「夕方」の事をわざわざ「たそがれ」「夕刻」などとは書かず、シンプルに「夕方」と書くという男性に好感を持った、とも語っています。今の時代、そこまで難しい言葉を盛り込む人はまれでしょうが、漢字の使い方や語彙などで、あまり“気取り”や“意図”を感じない、素直で率直な言葉使いをしたほうが、異性に好感を持たれやすい傾向はあるのかも……と感じた次第です。…

恋人や夫婦も、「思いがけないメール」にやられちゃう!?


 また、すぐに届けられるからこそ、タイミングやシチュエーションでぐっと心をつかんでしまえるのもメールのよさ。女優の中村メイコさんは、旦那様とのやり取りについて、著書でこんなエピソードを紹介しています。
 
 ある夜、旦那様から「今どこを走っている?」と走行中に連絡があり、メイコさんは「これは早く帰って来いということ?」と勘ぐったところ、旦那様は「進行方向に向かって右上を見てごらん、あれが上弦の月だよ」などと言ってきたそう。メイコさんは驚き、「そういう“キザっぽさ”をたまに見せてくれれば、女は3年はやっていける」とその折の喜びをユニークにつづっていました。
 
 近しいエピソードを知人からも聞いたことがあります。多忙でしばらく会えていなかった恋人から、「今すごくキレイな虹が出ているよ」とメールがあり、仕事を休憩して中庭に出て眺めた折、とてもうれしく思ったと。10年も前の話ながら、忘れず覚えているそうです。他人事だと確かにちょっと“キザっぽい”ようにも感じますが(笑)、もし自分が好きな相手からそんなメールをもらったら感動してしまうかも? 特に少し離れているときや、旅先からのメールは、心に染みちゃいそうですよね。往年の夫婦やカップルにしても、たまには「その言葉だけで3年やっていける」と思う位うれしいメールをもらえたら、普段のちょっとした面倒やストレスくらい、軽々と乗り越えていけるかも……!?
 
 世界有数の働き者の国でみんな忙しい上に、シャイな性格の人も多いという国民性を思えば、メールや手紙は日本人向きの恋愛ツールと言えるかも。容姿や服装で美人やイケメンを目指すのもいいですが、心をぐっとつかむ「メール美人」や「メールイケメン」にもなっておいて損はないですよね。ぜひ自分なりの腕を磨き、素直なタイミングと言葉使いで、異性にすてきな愛情表現を届けてみてはいかがでしょうか。
 (外山ゆひら)
 
 (参考)「文藝別冊 総特集 森茉莉」河出書房新社/「夫とふたりきり!―定年夫婦の生き方・暮らし方 これはもう恐怖です」中村メイコ著 青春出版社