
モンゴル北部にて、ミイラ状態の僧侶が発見され話題となっている。仏僧は盗掘者によって掘り起こされ、闇市に売られそうになったところで当局に差し押さえられた。モンゴル警察は犯人を既に逮捕し、僧侶は現在、検死局に送られている。発見時、僧侶は牛皮に包まれた状態で、蓮華座と呼ばれる座禅を組んだ姿のままであった。頭部にはまだ髪の毛が生えそろい、まるで眠っているかのよう。同地の仏教関係者は、仏僧があくまで「瞑想状態にあり、まだ死んでいない」と話している。検視にあたった科学者らも、モンゴル北部の寒さが影響した可能性は認めながらも、僧侶が一体なぜこのように綺麗な状態で発見されたのか、理由は定かでないと話している。
ダライ・ラマに化学を教えた経験もあるバリー・ケルジンによれば、僧侶は“tukdam”と呼ばれる極めて珍しい瞑想状態にあり、「もしも僧侶がこの瞑想状態を維持できれば、彼は仏陀になれる」という。今のところ、僧侶の身元は明らかになっていない。しかし一説には、かつてこの地域に暮らした「ラマ・ダシ・ドルチョ・イチギロフ(Lama Dashi-Dorzho Itigilov)」なる人物であるとも推測されている。
旧ソ連時代の1927年、ブリヤート(ロシア内の仏教国)の僧侶であったイチギロフは、教え子らに、これから自分は死ぬことを伝え、30年後に遺体を掘り起こすよう話すと、蓮華座を組み、瞑想状態のまま死んだといわれる。そして30年後、師の教え通り弟子たちが遺体を掘り起こすと、イチギロフの遺体は綺麗なミイラとなっていた。しかし当時、この一帯はソ連支配下にあり、ソ連当局による圧力を怖れた彼らは、再び師の身体を埋め戻してしまう。そしてソ連崩壊後の2002年、遺体は再び掘り起こされ今度はモンゴルの寺院に安置された。しかしそれが今回盗まれ、闇市で売られそうになったことで世間の脚光を浴びたのである。
こうした“腐敗しないミイラ”は世界に少なからず存在している。例えば中国の長沙市で二千年前に死亡した女性のミイラが生々しい姿で発見され、話題となった。またイタリアのシチリア島にはロザリオ・ロンバルドと呼ばれる少女のミイラが存在しており、まるで昨日死亡したかのようにその美しさを保ち続けている。しかし昔の人々が一体どのような条件や方法でこうしたミイラが造っていたのかは諸説あり、現在でも明らかになっていない。
(取材・文/X51)
日本でも人気が根強い韓流時代劇(歴史ドラマ)。韓国国内で放映されている韓流時代劇の最新作といえば、何といっても2015年 2月14日からKBS第1放送で放映されている『懲泌録(チンビロク)』だろう。
この作品は、豊臣秀吉の朝鮮出兵「文禄・慶長の役(韓国側では壬辰倭乱・丁酉再乱)」を背景とした朝鮮王朝の大臣柳成龍(ユ・ソンニョン/1542年~1607)の生涯を全50回にわたって描く物語だ。
ユ・ソンニョン役は、ドラマ『私の男の女』で妻の友人と不倫関係に陥った大学講師の役をやったキム・サンジュン。宣祖(ソンジョ)王の役はキム・テウ、そして豊臣秀吉役は日本人タレントではなく、キム・ギュチョルという韓国人俳優が担当する。
ちなみにユ・ソンニョンの14代目の子孫は俳優・リュ・シウォンだが、残念ながら彼はキャスティングされていない。
韓国人は日本文化を実は分かっていない!?ここで一つ、気になることがある。韓国時代劇に日本人が登場する場合の時代考証が、日本人が見た場合、かなり違和感のあることが多いのである。
少し古いアメリカ映画などに描かれる日本人だと、出っ歯で一重まぶたの人がスーツを着て、ニコンかキャノンのカメラを首からぶら下げて「どうも、どうも!」……などと言いながら登場して私たち日本人をがっかりさせる。欧米に行くと、いまだにちょんまげを結った日本人や芸者ガールや人力車が大活躍!……などと信じている人がいるとも聞く。
さすがに隣の国だから、そんなに酷い認識はなかろうと思われるかもしれない。
以前にドラマ『キムマンドク~美しき伝説の商人』を見ていたところ、西門問屋に「倭国商団」が銀を売りつけるシーンがあった。「倭国」といえば、ズバリ日本のことだ。
舞台は済州。済州島にやってくる日本人の商人集団なら、恐らく対馬商人ということになるだろう。ところが、画面に現れた「倭国商団」の姿は、髷の形は冠下の髻(かんかのもとどり)といって、吉良上野介のような高家か三条実美や岩倉具視のような公家たち、または皇室(京のみかど)といった人たちが結っていたもの。月代を剃らず、頭の上で髪を束ねてまとめた髪形で、“ひな人形のお内裏様が冠をかぶってないときの髪形”を想像していただければよい。
その上、身につけた衣装はまるで室町時代の武士が着ていた大紋のような着物だった。キムマンドクは18世紀後半から19世紀初頭の人物。…