
まず明治維新で中心的な役割を果たした岩倉具視の「日本は小さい国かもしれないが、世界で活躍する国になることも決して困難でない」との言葉を引用。「この道を再び歩み出す時だ」と訴えた。農政改革では、日本画に新風を持ち込んだ岡倉天心の「変化こそ唯一の永遠である」との言葉を紹介。幕末の思想家、吉田松陰が行動の大切さを説いた「知と行は二つにして一つ」も引いて「国会に求められているのは批判の応酬ではなく行動だ」と野党をけん制した。
一方、外交・安全保障分野で「改革」と明言したのは「国連を改革する」の1カ所だけ。演説では、経済重視・軽武装路線を取った吉田茂元首相の「日本国民よ、自信を持て」との呼びかけも紹介しており、「経済最優先」の姿勢を改めて示したかったようだ。【念佛明奈】4月12日投開票の北海道知事選で、民主党道連は15日、独自候補の擁立を断念し、横路孝弘代表(74)=衆院議員=が責任を取って代表を辞任した。これを受け、道連や連合北海道などで構成する道政権戦略会議は同日、既に立候補表明しているフリーキャスターの佐藤のりゆき氏(65)を支援する方針を固めた。道知事選で民主党道連が独自候補擁立を断念するのは初めて。
横路氏は同日午前、勝部賢志・道連幹事長に辞表を手渡した。会議後の記者会見で勝部幹事長は「横路氏は、独自候補が立てられず責任を感じていると述べた」と説明。横路氏は慰留を受け入れなかったという。今後の執行部体制は、21日の常任幹事会で決定する。
民主の知事候補者選びは昨年10月、上田文雄・札幌市長に固辞されてから難航。道連内では佐藤氏を支援すべきだとの声が高まっていたが、横路氏を中心に根強い慎重論があった。道連は佐藤氏と政策協定を結んだうえで、21日の運営協議会で支持を最終決定する。
佐藤氏は「『政策に賛同するのであれば応援してほしい』との私の言葉に共鳴してもらったと理解している」とのコメントを出した。
道知事選には他に高橋はるみ知事(61)が立候補を表明し、自民党道連が推薦を決定。共産党道委員会は佐藤氏支援も視野に検討している。【山下智恵】