
岡山県瀬戸内市にある二つのハンセン病療養所に入所している三重県出身者計5人の証言映像を初めて上映。邑久(おく)光明園で暮らす82歳と78歳の夫妻は、就職で退所したものの、退職すると「子どもがいない、過去のことを一切言えない寂しさが一気に高まり、再入所を決めた」と苦しんだ過去を話した。
ハンセン病歴を公表し、全国各地でギターの弾き語りコンサートを開いている沖縄県出身のシンガー・ソングライター宮里新一さんは「生き直しコンサート」と題して歌声を披露。約90人の観客は、「自分の病気のために苦しんできた母親ら、家族の人生まで背負って生き直していきたい」という気持ちを込めた歌に聞き入った。
主催した「ハンセン病問題を共に考える会・みえ」の訓覇浩さん(52)は「我々には、それぞれの立場で政府の隔離政策に協力してきた過去がある。ハンセン病を自分の問題と捉え、いまだ続く差別に社会全体で取り組み、乗り越えていかなければならない」と話していた。