
- イラスト・藍原真由
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就職活動を始めるときの取り組みの一つに「自己分析」があります。
これまでどう生きてきたか、性格や得意分野などを確認し整理しておくのです。自分に合った企業、仕事を探すのに役立ち、エントリーシートや面接のアピールポイントを明らかにすることができます。
ただ、自己分析に抵抗感を持つ人も多いでしょう。強みや優れた点が分からない、そもそも誇れるもの、自慢できるものなど何もないと悩むからです。
そんなときはまず、仲の良い就活生同士で、互いの人生について話し合ってみてはどうでしょう。過去の写真などを持ち寄り、自分が歩んできた道、大事にしてきたこと、転機などを報告しあうのです。
聞き手に回ったときは、「このときはどんな状況だったの?」「なぜそうしたの?」などと質問してください。「そういえば、人手が足りないアルバイト先を切り盛りしたのは自分だった」「サッカーを始めて12年間、イエローカードを1枚ももらったことがない」など、それまで本人が気付かなかった強みなどが見えてきます。
他人の視点を交えながら、人生を前向きに振り返るのがポイントです。何かを発見したら、今度はそのことを深く掘り下げてみましょう。
自己分析は、嫌な気持ちで苦痛を感じながらするものではありません。まずは、楽しみながら始めてください。最初の段階では「頑張りすぎない」ことをお勧めします。(人材コンサルタント)
(2014年5月20日の読売新聞朝刊に掲載)