
- イラスト・安芸智崇
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8月15日、山口市で開かれた合同説明会に行ってきました。
内定を得ていない大学4年生などを対象に、山口県などでつくる団体が主催し、138の地元企業が参加しました。
私が会場に足を運んだ理由の一つは、夏休みでなかなか会えない山口大の学生を見つけて、悩み相談を受けること。もう一つは、なじみの企業の採用担当者らと接触すること。「内定辞退があったので、追加で募集したい」と耳打ちされることもあり、合同説明会は、キャリアセンターの教職員にとって貴重な情報収集の場でもあるのです。
会場を訪れた学生の多くは、配布されたガイドブックを眺めながら、ブース訪問をためらっています。私が、「どこかさがしてますか?」と尋ねると、「いや~」っと苦笑い。この時期、説明会に参加するのは、ほとんどが名前を知らない会社。学生たちは「来たのはいいけれど、どこに行っていいのかわからない」と、本音を語ります。
ガイドブックに書かれているのは、勤務地や募集職種、初任給や休日数などの条件面ばかり。会社の理念や仕事のやりがいは、「直接お話をしましょう」ということなのでしょうが、わからない会社の席に座る勇気がなかなか湧かないようです。
そこで私が背中を押して、ブース訪問を促してあげるのです。ブースから出てきた学生は、「興味を持てたので、会社訪問に行ってきます」。合同説明会は、知らない会社を知る絶好の機会。おおいに活用してほしいと思います。(山口大教授)
(2014年8月26日の読売新聞朝刊に掲載)