東京電力福島第一原事故の影響で子供たちが外遊びを控えた影響が続いているとみられる。県教委は、全国体力テストの結果や食習慣を記録する手帳の配布や子供向け体操の普及を進め、肥満解消の取り組みを強化する。
調査は4~6月、全国の幼稚園と小中学校・高校の児童・生徒から抽出して実施。県内では全体の約30%に当たる6万2685人を対象に行った。
肥満については、身長別標準体重などから割り出した肥満度が20%以上の子供の割合を調べた。県内では小学生の6、7、9、11歳と中学生の12、13歳で肥満傾向の割合が全国で最も高く、ほかの年代も全国平均を上回った。男女別では、男子は9歳が17・34%(全国平均8・89%)、女子は13歳の13・78%(同7・89%)が最も高かった。
原発事故を受けて屋外活動を制限した県内の公立学校の割合は、11年6月の約57%から、昨年5月には2%(16校)に減った。ただ、県教委は「外で運動する機会が減り、室内遊びの習慣がついてしまったことも要因ではないか」と分析する。
県教委や各学校は対策を強める。福島市立平石小学校では23日、ジャージー姿の5、6年生6人が、太鼓のリズムに合わせて跳びはね、手足を床について腰を浮かせて進む「クモ歩き」をするなど、約5分間の体操に取り組んだ。
この運動プログラムは県教委が体育の授業用に考案し、昨秋、DVDを公立学校に配布した。6年生の女子(12)は「最初は転ぶこともあったが、慣れると楽しく運動できる」と笑顔を見せた。
新年度には、小学4年~高校1年の児童・生徒を対象に、全国体力テストや健康診断の結果、食習慣などを記録する手帳を配布する方針だ。記録した内容を基に運動や健康に関する授業を行い、家庭でも生活改善などを話し合う機会を設けてもらう。
県教委の担当者は「楽しく分かりやすい方法で運動習慣が身に着く取り組みを進めたい」と話した。