
市議会の田中展郎議長は、問題に関与した複数の市議についても調べる方針を示し、混乱は続きそうだ。
山野氏は記者会見で、辞職を決めた理由の一つとして、市議会で支持されていた主要会派に調査権限のある百条委員会の設置を言及されたことを挙げ、「歴史と文化のある町で百条委員会が開かれることはよろしくない」と述べた。関与した市議については「弁護士に(言及を)止められている」として説明を避けた。
田中議長は山野氏への聞き取りの予定はないとし、関与した市議への対応は、「議会サイドで方法を含めて話し合って決めたい」と発言した。
4年前の市長選で山野氏を支援し、車券場の開設を目指した同市のビル管理会社の男性社長は読売新聞の取材に対し、「車券場がこのようにクローズアップされ、悪い印象を持たれたとすれば極めて残念」と語った。
◆まちづくり「無念な思い」…山野氏とのやり取り
――道義的責任とは、何が問題だったのか。
市長に就任した後、車券場のことについて、信頼関係の中、大変甘い認識のもとでサインをしたこと。資源回収所のことで、(ビル管理会社の社長に)期待を持たせてしまったことも事実。
――辞職に伴う市長選に出馬する考えはあるか。
この1週間、道義的な責任をどう取るかについて、いろんな方と意見交換を重ねてきた。この後、自分がどういう仕事をするかということは全く考えに及んでいない。
――出馬はしないのか。
選挙に出るとか出ないとかは、全く考えに及んでいない。
――市民への説明責任はどういう形で果たすのか。 報道を通して説明をしていくこともそうだし、市長という立場を離れても、この問題について説明を求められれば、出て行って説明を重ねたい。
――心残りはあるか。
まちづくりの理念があり、重点戦略計画を掲げ、向こう10年間のベクトルが明確に定まったことは自負している。それを自身の手で実行していくという気持ちはあったので、無念な思いは強い。