
- 仕事に向かうため2人の子どもを預ける文さん(左)
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少子化が深刻となっている韓国で、好きな時間に子どもを預けられる保育サービスが広がっている。
子育てをする女性が、不定期の仕事を続けられる環境を整え、多産化を目指す試みだ。
「ここがあるから働けます」。ソウル市九老区に住む双子(2)の母、文志恵(ムンジヘ)さん(31)が言及したのは、区の育児サービスだ。保育料の自己負担は1時間2000ウォン(約210円)で、当日申し込んでも預かってくれる。
勤務先の半導体販売会社では、依頼を受けた時だけ1日2~3時間働く。緊急で子どもを預かる施設がなければ、仕事は困難だった。
韓国には全国に保育園や幼稚園があるが、朝から夕方まで連日預ける場合のみが対象で、不定期に仕事をしたり、短時間だけ子どもを預けたりしたい母親が利用できる施設はほとんどなかった。
政府は今年7月以降、少子化対策として、全国70か所以上で試験的に施設を運営。九老区の施設の場合、利用者は1日4~5人ほどで、急用が入った主婦やフリーで仕事をする母親らが常連という。
文さんは「これなら3人目を産めるかもしれません」と話した。(ソウル支局 吉田敏行、写真も)