ナチス反省演説…ワイツゼッカー元独大統領死去 | 国際そのほか速

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 【ベルリン=工藤武人】DPA通信によると、ナチス・ドイツ時代を率直に反省した議会演説「荒れ野の40年」で世界的に知られる、リヒャルト・フォン・ワイツゼッカー元ドイツ大統領が、1月31日、死去した。

  94歳。

  独南西部シュツットガルトの著名な男爵家の生まれ。1938年から45年にかけ従軍し、陸軍砲兵隊予備役大尉として終戦を迎えた。54年、保守政党、キリスト教民主同盟(CDU)に入党。69年から81年まで連邦議会(下院)議員を務めた後、西ベルリン市長(81~84年)を経て、84年7月に、第6代連邦大統領に就任し、90年の東西統一をはさみ、2期10年、大統領職を務めた。

  「荒れ野の40年」と題した演説を連邦議会で行ったのは、ナチス・ドイツの降伏による欧州での終戦から40周年を迎えた85年5月8日。演説では、「過去に目を閉ざすものは現在にも盲目となる」との表現で、ナチスの過去を率直に反省する言葉を述べ、国内外に感銘を与えた。