「縁」で開ける意外な未来 | 国際そのほか速

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「縁」で開ける意外な未来 
  • イラスト・小林早希
  •   私の会社は、企業の人材育成を支援し、大学でのキャリア教育も手掛けています。

      現場の実態を踏まえ、このコラムでは、入社後に「こんなはずじゃなかった」とならない「心得」をお伝えしていきます。

      先日、仕事で会った50代の会社役員の女性が「自分の人生は誰よりも自分がわかっていると考えていた20代が、今思えば恥ずかしい」と話していました。

      三十数年前、彼女は結婚までの腰かけのつもりで、一般職として働き始めたそうです。そこで出会った上司に引き立てられ、多くのチャンスをもらい仕事の面白さを知りました。

      しかし、その後、上司は転職し、本人も結婚・出産し、仕事より家庭を優先する時期がありました。数年たち子育てが落ち着いたころ、元上司から久しぶりに連絡が入りました。転職先で経営者になっており、「また一緒に働かないか」と誘われたのです。彼女は働く意志は持っていたため、「これもご縁」と未経験の営業職に挑戦。意外に向いていることに気づき、仕事にのめり込んだ結果、現在の役員にまで昇進しました。

      4月は大手企業の選考が本格化する時期です。第1志望から内々定を得てガッツポーズをとる人、不採用通知に落胆する人など悲喜こもごもでしょう。でも、社会人として働くことは「縁」で開けるものです。予想外の転機を乗り越えることでキャリアも育めます。就職活動を機に意外な未来と出会う旅を歩み始めましょう。(フィールワークス代表)

      (2014年4月1日の読売新聞朝刊に掲載)