
- インドで話題の「女友達タクシー」。運転手のサロジさん(車中)から報告を受けるジャナルダンさん
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インドで女性ドライバーが女性客を送迎する会社「女友達タクシー」が話題を集めている。
「女性の移動を助け、女性の雇用を促進したい」。ナヤンタラ・ジャナルダン社長(42)が開業の狙いを語った。
インド初の女性専用タクシーとして、2009年、首都ニューデリーで営業を開始。20~40歳代の女性運転手17人が、会社勤めの女性や主婦らの注文を受ける。
インドでは、女性に男性への服従を説くヒンズー教の女性観の影響で、女性の就業が遅れている。また、性犯罪の発生率が高いため、女性は一人でタクシーに乗りづらい。そこにビジネスの機会があった。会社は8か月の訓練期間に、実務用免許を取得させるだけでなく、客との会話術や保身術も教える。
流しの営業はせず、料金は40キロで2000ルピー(約3700円)を目安に距離や乗客ごとに決める。最も安いタクシーの10倍と言われるが、「安心して乗れる」という評判から、14台のタクシーはほぼ出ずっぱりだ。
同社第1号の運転手、サロジさん(25)は「何度も利用される女性客が多く、信頼されていると思うとやりがいがある」と話した。(ニューデリー 田原徳容、写真も)