女子こだわりの機能性肌着 | 国際そのほか速

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女子こだわりの機能性肌着 
  • パッケージのデザインもあえて「スポーツ」らしさを排したという。「ミズノ製品に縁のなかった女性にも目を向けてもらえるとうれしい」(東京都千代田区で)=加藤祐治撮影
  •   スポーツ用品メーカー「ミズノ」の三野玲奈さん(41)は3年前に発売された秋冬用の女性肌着「女子のブレスサーモ」の開発責任者。

      「女性にしか企画できない商品を作りたい。その一心でした」と振り返る。

      ブレスサーモは、皮膚から出る蒸気などで発熱する素材が特徴。女性向けラインアップもあったが「女性ものにしてはデザインが武骨だなあと感じていました」と明かす。

      同社では、女性向け商品であっても男性が開発の中心となることが多い。肌着製品の使用者アンケートでも同じように感じている女性が多いことが分かり、「女子による、女子のための肌着を」と女性開発チームの創設を進言した。

      これが上層部に認められ、2009年、他の女性社員と3人で開発チームを結成。全員ほかの仕事を抱えていたが、時間をやり繰りして企画を練り、試作品の試着を繰り返した。

      シャツは、襟元が広い服の下に着ても見えないように大きめの丸首を採用。タイツやスパッツには、おなかを冷やさないよう、腹巻きを付けるなどの工夫を施した。

      肌着にあしらわれる自社のロゴをハートマークで囲むデザインを提案。社内会議で「そこまでのこだわりが必要なのか」という声に対し、「ロゴもかわいいものにしたい」と説得した。

      商品パンフレットに登場するモデルの選定など広報宣伝も3人で担当。「ここまで任せてもらって売れなかったら……」と不安だったが、11年10月に発売すると、年内に予定数を売り切る順調な滑り出し。「ホッとするとともに達成感で胸がいっぱいになりました」

      口コミで評判が広がり、販売数は年々増加。女性用肌着としては珍しく、妻や恋人へのプレゼントに男性が購入することも多い。

      だが、現状にまだ満足はしていない。ピンクや薄緑色をした家着用などにもラインアップを拡大している。「ようやく、直営店だけでなく下着専門店にも置いてもらえるようになったところ。これからが勝負です」(田中左千夫)

     【休日】最新ウェアでスキーを満喫

    •   冬場はスキーを何よりの楽しみにしている=写真=。数年前までは11月下旬から翌年の大型連休まで、ほぼ毎週出かけていたという。「今は多忙なので」とはいうが、月2回は出掛ける。

        仕事を終えた金曜の夜、職場のスキー仲間と10人ほどで車に分乗し、大阪を出発。長野や岐阜、鳥取などのスキー場へと向かう。土曜の朝から日曜の昼ごろまで、たっぷりと滑る。「冷たい風を切って進んでいくのが何とも心地よい。上達ばかり考えないことも、楽しい理由かも」と笑う。

        現在の所属部署はスキーウェアの企画もしており、シーズンごとに最新モデルを購入し、ゲレンデで着用している。「古いモデルを着ていては、格好がつきませんから」

        悩みは、ゴーグルやマスクで顔を覆っていてもスキー焼けが免れないこと。「夏場より春先の方が、顔が黒いと言われます」

       【道具】8年愛用 フランス製手帳

      •   8年前に旅行先のパリで購入した手帳=写真=を、今も愛用している。「毎年、用紙を入れ替えながら使い続けています。少しくたびれてきましたが、手放せません」

          フランスの高級カバンブランド、ゴヤールの製品。ポケット手帳よりやや大ぶりのサイズで、見開き2ページに、1週間分の予定を記す。1日の予定を上から下へと、タテに30分単位で書き込む。「週の予定や朝から晩までの仕事の流れを、ひと目で再確認できるのが良い」

          筆記具は、0.9ミリのシャープペンシルと、青と赤の0.7ミリボールペンの3種類。いずれもやや太字で、軽いタッチでサラサラと書けるのが気に入っている。

          スマートフォンなどデジタル機器で予定を管理する同僚も増えてきたが、「根っからのアナログ人間。手書きの方が、予定などを頭にとどめておきやすい」と変えるつもりはない。

        みの・れな 1973年、大阪府生まれ。短大卒業後、93年にミズノ入社。ゴルフウェア企画担当などを経て、2008年肌着商品企画担当。11年から登山用防寒着などアウトドア向け衣料の企画を担当する。