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セントの最新映画・小演劇・ミステリー

gooから移転しました。最近はクラシック鑑賞が多く、少しさぼり気味です。

 

ひょんなことからデパ地下の和菓子店に勤める女の子のお話である。和菓子って、余り日常的に食するものではなあいなあと思いつつ、なぜか気になり手に取った本である。ところがこれが面白い。和菓子一つにうんちくが満載。古書を辿る歴史を感じるほど奥行きが深い。しかも、他愛ない庶民の愛情が詰まっている。

いい本だと思う。世の中、こんないい人達ばかりだと、戦争も起きないなんて馬鹿なことも考えてしまう、、。ちなみに、私はお菓子大好きだけど、今、健康上の理由で、あまり食べられません。

演劇学校の方が「ナイトスイミング」

これは途方もない宇宙の果て辿りつつ、自分自身を知ってゆく壮大なドラマです。15歳で別れてしまった友人たちと20年ぶりにある宇宙の一地点で出会うとき、、。自分は35歳になっているが友人たちは15歳のままだ。

これはぞくぞくする空前な時間ワールド。しかし哀しい青春ドラマでもある、、。実際、卑近なところでこういうことが起こってしまったら、と考えると、もうそれだけで涙が出てしまう。そして最後には、、。

いやあ、俳優陣もすごく緊密でしかし清々しさを感じる演技。若いっていいなあ、、。でもその若さにはとてつもない運命が待っていた。

秀作。涙なしには見られない。

舞台技術学校の方が古典ともいえるゴーリキーの「どん底」。

これはすごい。貧民でもアンタッチャブルの貧民世界に身を置いて、毎日生きていること自体苦痛であるという境遇に置かれた人たちの話。身につまされる。でも随分と古い作品だけど、見事現代的なテーマへと昇華しており、感動させられた。

俳優陣に日本人でないような方が何人かいて、それが国際的で人間への掘り下げに陰影を与え、幅広の舞台となった。素晴らしい。こちらも感動して涙が止まらず、、。

 

ラスト、遠因が舞台に上がり、観客とエールを送る。ああ、また涙!

 

 

高校時代って、こんなだったけ? と、甘酸っぱくもどかしい当時を片鱗も感じず見ている僕だが、でも、後期思春期っていいもんだと思う。また、5人の若者がそれぞれきっちり自分の想いを等分に描いているのが素晴らしいと思う。

今でもこんな新鮮な思いを今どきの高校生が持っているのか、とは思うが、時代は過ぎてもこの思いは不変なんだと思いたい。そんなことを思わせる実に素敵な青春映画でした。

恋と愛をきちんと描いているのが印象的で、偉いです。

 

 

 

2時間の卒業公演。最後にあいさつした森原氏の書き下ろしで、この2時間は偉いと思う。いろんなお話が錯綜しており、退屈になることはない。死を彷徨う一人の青年に今までの演劇への想いが走馬灯のように流れてゆく、、。

若々しいというべきか、随分とハチャメチャのような展開だが、ところどころ、ふつふつと沸き起こるのは、演劇への想い。これはホント、観客席へとストレートに伝わった。なんとさわやかなことよ!

 

やはり若いということは、何でもできるということだ。卒業公演というからには、これで演劇を去る人もいれば、本格的にまたやってみたいという人もいるだろう。そんな、彼らの想いをやさしい春の訪れを告げる雨が静かに降っていた。

 

題名からは全く窺うことのしれない次元の違う世界へ誘い込むシャオガンの悠久の世界。おどろおどろしく、現代の麻薬たるマルチ商法という実態に迫りつつ、人間の弱さを照射する。そして現代中国への批判の目を少し感じる。

出だしから撮影がものすごく純度の高い鮮烈さでドギモを抜くほどだ。もう映画ではドローン撮影は当たり前で、映像が美しすぎる。普通の農民がマルチ商法に簡単に入ってしまう現代中国の病巣を描きつつ、結局は現実生活の営みに戻るベタさは、けれどそれほど気にならない。

 

このマルチの悪夢のような様相は永い時間をかけ描写しており、通常の中国映画では感じられないエネルギーを猛烈に感じ取った。人間が豹変する暗黒の世界でもある。

 

人は自然から生まれ自然に戻るのだ。映画的高揚を得て、静かに僕は頭(こうべ)を垂れる。

青春(人生)とは恋であります。恋に走るソワソワ感、甘美感、そしてその後にやって来る失恋の痛み。ゲーテでさえ、(「若きウェルテルの悩み」)、それは死に値するものだとし、ウェルテルを死に至せることでようやく、自分の現実の死から逃れることができた、とされている。

この映画、まさにこれを描いている。まさに一直線の青春がそこにあった。このテーマは時代違えど、人間が生きている限り、延々と続くものであり、まさにそこを切り取った秀作となった。

映像としては、関大の構内の青春っぽいたたずまいの光景、色彩、学生のみずみずしさ、圧巻でした。だいたいこの構内はよく行き来しているが、こんなに魅力的に感じたことはなく、驚きました。さすが、カメラワークの凄み。

でも、この映画のハイライト、さっちゃんの長い告白。みんな大絶賛らしいけど、あれって、本来ないよな?
恋って、自分の気持ちだけのどうしょうもないモヤモヤだから、相手が自分をどう思おうと関係ないはず。仕方のないことなんだよ。これは人類始まって以来続く不文律の出来事。

失恋は冒頭言ったように、死に至る病でもあるけど、生きる経験値は増える。そして人は歳を重ねて生きている、、。
太宰は「ひとは恋と革命のために生きる」なんて、のたまっていたけどね。

う〜ん。こんなジジイでもガンガン青春の清冽さと脆さを感じ取ったいい映画でした。そう、青春とは人生なり、なんですぞ!

 

演技派チョン・ドヨンのめずらしいアクション劇。設定がだまされ2年間監獄にぶち込まれていた女刑事という設定で、なかなか面白い。周囲の俳優陣もイ・ジョンジェなど重鎮を起用し、ワクワクさせる。

ところが、肝心の出獄してからが、意外と凡庸の出来で、これはドヨンが一人頑張っても画面を活性化できない代物。ドヨンもちょっと老け顔になってきて(失礼)、若い俳優たちとは別人に見えるから哀しい。そういえば、時々岸田今日子に似てきたなあなんて、思いながら映像を追いかける。

まあ、普通のアクション劇だと考えれば、水準の出来だが、ドヨン主演の映画だから、もうちょっと映画全体、切れが欲しいなあと思った。ドヨン、女優としてはむずかしい年齢に差し掛かっているか。

 

大好きな作家長岡 弘樹のちょっと毛色の変わった交番もの。主人公は定年過ぎた女性警察官で、これが鋭すぎる。面白い。交番という身近な素材を使用しているので、地域住民、いわゆる普通の人間像が充満し、とにかく面白い。

6編の短編集だが、全編秀逸。これはもう短編の名品といっていいですね。ただ、いつも思うが、警察関係でこんなに悪に手を染めてしまう人間の多いことよ。でもそれを言ったら、この種のミステリーは出現しないですよね。

 

 

 

 

今まで見た「リア王」の中で、現代的にアグレッシブに、かつ動く時代劇のごとく、いわば漫画チックに面白くシェイクスピアを簡略化した長尺の戦国絵巻を見た感が強い。新鮮で、あっという間の3時間弱。これはまさに秀作だからこその結果だろうと思う。

いつも感じるシェイクスピアのあの長台詞は今回は短めに簡略化し、しかもそのセリフはわかりやすいことがまず長所である。今回は老いというものを全面的に押し出し、現代との融和を図っているようでもある。(孫高宏すこぶる好演)

俳優陣はいつものコッポラ劇団が大勢参加し、しかし一人重要な役柄で客演のや乃えいじが踏ん張っている。他主人公も何人も輻輳しており、誰から観ても面白い脚本である。谷口遼もいつも好青年を演じている二枚目だが、今回は完璧悪者の役柄で、思わず目を見張ってしまった。

面白い。シャイクスピアをたまには肩に力を入れなく見るのもいいなあと思った。秀作である。

 

ヨルゴス・ランティモスの最新作。即映画館へ。主演はいつも通りエマ・ストーン、今回も頑張っとります。もうあの「ラ・ラ・ランド」の愛らしさはありません。女優魂がプンプン出ています。作品は意外とわかりやすく、エンタメっぽい展開で、残酷な誘拐光景、ラース・フォン・トリアー風のSF諦観など、この監督にしては随分と迎合しているかのようです。

中でも、やはり目を引くのは人類の最後の絶望シーンをこれでもか、と我が目で見させられるシーンかな。これが撮りたいからこの映画を撮ったとでも言いたいかのような、映画史に残るような映像シーンです。これを見た撮りた僕は満足かな、、。