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セントの最新映画・小演劇・ミステリー

gooから移転しました。最近はクラシック鑑賞が多く、少しさぼり気味です。

 

題名の通り「人間はどこからきて、どこへ行くのか」というテーマなんだろうが(ゴーガンの名画みたいだが)、今生きることに照準を当てて、普通に生きることの重要性を示唆してくれた作品と採る。

中国では弔辞屋なんて職業があるんだなあと感心する。それだけ逝く人を大切にする風習があるんだろう。最近の日本では家族葬という名のもと、人の死がシンプルになっていくことを考えると、考えさせられるものもあります。

作品的にはじっくり見ていないと大切なものを見過ごしてしまうほどのデリケートさで描いている。展開も面白く、4,5話の挿話をうまくまとめている。秀逸な文学作品を読んだ味わい感も残るいい映画です。こういう映画、好きです。

 

 

何かどこかで見たような、読んだことがあるような素敵なファンタジーで、ゴッツ泣かされました。まさに昭和そのものの良き時代の大阪下町の話ですが、世知辛い世の中にあってこの作品は1本の灯となります。最後はもうぼろ泣きで映画ってまだまだ人を力づけると思いました。

鈴木亨平は関西弁がうまく、凄いなあと思ったら、出身兵庫となってました。なるほど納得。

 

 

結構凝った脚本で、ファンタジーあり、ミステリーありで、観客の心への問いかけを深く考えている。出だしが113階へのエレベーター、違法建築と、なかなかちょっとしたゲーム展開で面白い。

役者がみんなセリフのトチリもなく、練習十分。衣装もきらびやか。大道具、また劇場も超一流。頑張ってる。迫力あり。オリジナル脚本はとてもうれしい。よく頑張った。

みんな溌溂、かっこよく、美女ぞろい。3回生はこれで卒業か、、。ほんと、ご苦労さまでした。

 

 年度末の季節模様というべきか、あみゅーずの演劇である。最近はリーディングものが多かったが、久々の実演鑑賞である。出し物は3つの短編集。すべて心にさらりと沁みる笑演劇である。主演のお二人がだんだん高齢化している(失礼)からだろうか、客演は若い役者の人数が多く、彼らをうまく生かしてとても楽しめた。

最初と最後は十分練習したミュージカル風ダンス。観客へのサービスだろうと思う。素敵だ。自然とこちらも体が動く。

小さな劇場だが、この劇団にはこんな劇場が似合う。年末に心がほっこりする劇を見て、今年のいろんな出来事を、カフェで思い浮かべる。今年も残り少なくなったなあ、、。

 

そろそろ寄る年波を感じるころになった大スターのヨーロッパ珍道中。決してコメディではないところがこの映画の、明るい中にも人生の暖かさ・哀愁を感じる上出来の作品になっている。

1人の大スターが急に予定を変えイタリアに行くことになる。となるとハリウッドではその取り巻きなども一緒に行動することになるんだということにまず驚く。これじゃあ、彼ら自分の時間も全く持てないよね。ほんとなのかな?

 

この付き人のアダム・サンドラーがいいね。しばらくぶりの拝見でうれしかったよ。彼もこの大スターを見限るが、ラストその優しさがやはり彼らしさを発揮してしまう。いかにも、ハリウッド的なハッピーな映画として終わるのが、古き良き時代のアメリカ映画としての最後の意地を出したのか、、。

 

 

山田洋次、93歳。まだまだ出来る。衰えていない。こんなフランス映画の原作ものでも、きっちりと昭和を生きた女性の半生を、少々古めかしいウーマンリブなどの世相を見せながら描き切る。

DVが家庭では当たり前だった時の話である。そういえばどこの家でもそうだったような気がします。私のおうちでも、、。そういうのはもう忘却の彼方だったが、山田はしかとそれを問題視したんだね。何でもないことのように思われるが、これは重要で素晴らしい視点だと思う。なぜなら現代に生きる若者たちはこのことを全く知ることがないから。

フランス映画の方もほとんど忘れていたが、まあ、最後の思いがけないラッキーで思い出しました。そう、こんなラストだった。こんなメルヘンもいいよね。

キムタクは50過ぎの普通のタクシー運転手を好演。彼にとってはある意味、敢えて普通役を演じることに挑戦したんだと思う。まずまず。賠償はまあ、いつも通りのさりげない演技で、山田の指導をよく受け止めていると思われた。声はいつまでも流暢だ。

 

12月に暖かいクリスマスプレゼントをもらったかのようないい映画でした。

 

 

 

 

通常のドラマでは主人公が亡くなるところでジ・エンドになる場合がこの映画はその主人公が亡くなってからの話であるところがみそ。

金の無心をしていたばかりのダメ男の兄が亡くなったという電話の鳴る所から映画は始まる。面白い出だしで、観客は引き込まれる。それからは、1編の小説を読み切った感じで、ホロ苦くも暖かい家庭という小さな太陽を見続けてきた思いを観客は共有する。

 

一つ疑問は満島ひかりがオダギリジョーの別れた妻役なのだが、なぜ二人の子供がありながら、男の子を父親に預けてしまったのか? 映画ではオダギリの必死の条件だったというが、それはおかしい。そこまでして二人の兄弟を離れ離れにする母親は普通はいない。特にこの満島ひかりは立派でそういう人ではない。

 

最後は泣いた。観客の一部から拍手が聞こえる。最近こういう場面が多いなあ、、。

 

 

 

『このミステリーがすごい! 』大賞・優秀賞受賞作らしい。証言集のような会話調なので、とても読みやすく、また一気読みした。それだけ内容も思っていたよりミステリーとして合格だ。小6の子供たちが主人公なのだが、学校内で起こった事件を30年後関係者がそれぞれ見直してみると、、。

面白いけれども、私が年を取っているかもしれないが、小6でこれほど人の心理を、または愛を考え得られるものなのか、設定を中3以上でないと無理ではないか、なんて僕は思ってしまう。本格ミステリーとしても」十分積み込まれているので、読み応えのある力作です。

小6、恐るべし、、。

 

珍しい中年男女のラブストーリー。しかもこの二人、どこにでもいるような市井の人たちである。親近感がある。中学生の初恋、から始まる彼らのいたいけな人生。でも、35年ぶりに邂逅するまで彼らは別々の道を辿っていた。しかし二人は二人だけの小さな火をやっと灯し始める。

だが、何気なく検査した健康診断で一人の病気が見つかってしまう、、。

丁寧に二人を描いていて、とても好感が持てる作風。彼らの一つ一つの表情が我ら観客にそのままストレートに伝わってくる。次第に感情移入してしまい、2時間は彼らの甘い、哀しい恋の物語に陶酔してしまう。ウマイわ、土井さん、「花束みたいな恋をした」ほど重くはないけれども、でもしっかりと中年男女の本当の恋愛を見せてくれる。

最後、堺雅人の号泣場面はこの映画の一切を彼が持って行ってしまったほど、感動する。私も嗚咽を周囲に出さないよう、こらえるのに苦労する。というのも、彼が突然あることを知ることと、観客たる我々がそれを共有することで、それからが同時進行するからだ。圧倒的なラスト。

 

映画ってすごいチカラを持っている。

 

この本はすごい、凄すぎる。面白過ぎる。あっという間に読んでしまうのホントものすごい一気読み。この10年ほど、ミステリーでこれほど面白い本を読んだ経験はないと言えます。

行間に溢れんばかりのしがない営業マンである鳥居のうんちくが、なんとも私自身じっくりと勉強をしたくなるほど面白い。作者はあの若さでどうやってこの人生の真実を見つけたのか?  と、思いたくなるほどある意味有意義な本であります。

私はこういう書評を書くときはいつもは「作品」と書くのだが、今回は「本」という表現をしています。それほどミステリー好きとして感銘しております。

敢えて、面白いこの本の中身には触れません。ミステリーファンならわかるでしょう、実際この本を読んでください。その喜びは例えようもありません、、。

今年のミステリーベスト1です。