セントの最新映画・小演劇・ミステリー

セントの最新映画・小演劇・ミステリー

gooから移転しました。最近はクラシック鑑賞が多く、少しさぼり気味です。

 

もうこのシリーズ、何作書いてるんでしょうか、そのたびに痛快で、面白く、でもなんたって、警察上部の面々の人間模様がとても、普段わからない世界だけに興味惹かれてゆくのだろう、、。今回も、もう油に乗った筆っぷりで、3時間余りで一気読みだ。

特に今回はなぜだか、いつもとは違う面白さを感じた。それは竜崎が少々超上部にいるせいか、世慣れしてきたことかな。でもまだ、青年風の意気は変わらず、それなりに頑張っているところが共感を覚える。また次作に期待している自分。好きなんだなあ、、。

 

 

これはすごい小説が現れたものだ。感心する。展開はクリスティの名作「そして誰も~」をたどりつつ、どんでん返しの連続、そして最後の見事なうっちゃり。何より章の長さが短く、すこぶる読みやすいこと。これによってかえって、どんどんページが進む。こんな一気読みもまた珍しい。もう高揚感でいっぱいだ。

内容はあまり書けません。もうそのまま読んでください。本格ミステリーファンのかた、何も言いません。必読の書ですぞ。

 

和菓子シリーズ第2弾。こんな少女が好きそうな小説を読むというのも信じられないが、シリーズ化してということなので読んでいる。女の子の気持ちがいまさらわかっても仕方のない吾人だが、それはそれで面白い。もはや忘れ去られている思春期の大切なもやもやを思い起こさせてくれるだけでも愛おしい読みのもであると思われる。

まあ、今回は初恋のようなまさに甘酸っぱい代物であります。現代においてこのような乙女心を持つお二人がいるとも思えないが、ふたりぐらいいるでしょう、そう信じたい良書であります。

 

 

 

 

 

「邂逅」との合同公演なので、随分とテイストが違うと思った。演出はいつもと変わらず、もちろん脚本も違うが、やはり俳優陣がこれほど違うと、いつもの「劇団未来」とは随分と違う。まずそれを思う。

でも、オーソドックス劇ではないからか、随分と入りやすく、また展開が読めないからか、興味津々の舞台である。面白い。けど、すこし俗っぽいというか、エンタメ風が強い。ラストはまとめた感が強いが、芯に入ってゆく強さ・深さがいつもとは違うと思った。

でも、これも合同公演の成果だと思えば、プラスではないか。おそらく俳優陣は練習ではキャッキャと楽しかったはず。そんな雰囲気が全編漂っていた。

 

時代劇ミステリーかなあと思ってい観ていたら、1/3ぐらいで真相が告げられる。そして、その裏側を再現する積み重ねの中に、エンタメ時代劇の、本来の喜び・楽しみ方を貫く姿勢が一貫化しており、こちらもそれを感じて自然とほほ笑んでくる。

この映画に悪者はいない。(一人、悪家老がいるがそれ程、悪を追求しておらず無異気味)登場人物は全員、突き抜けたような陽気な人間たちだ。 「侍タイムスリッパ―」と同じく「観客とともに時代劇から日本人本来の愉しみを見ていこうぜ」といったエールが感じられる。

ラストにかけて誰も不幸な人は出ずに、完全ハッピーエンドを徹底する。これもまたいいじゃあないか!          

 

ひょんなことからデパ地下の和菓子店に勤める女の子のお話である。和菓子って、余り日常的に食するものではなあいなあと思いつつ、なぜか気になり手に取った本である。ところがこれが面白い。和菓子一つにうんちくが満載。古書を辿る歴史を感じるほど奥行きが深い。しかも、他愛ない庶民の愛情が詰まっている。

いい本だと思う。世の中、こんないい人達ばかりだと、戦争も起きないなんて馬鹿なことも考えてしまう、、。ちなみに、私はお菓子大好きだけど、今、健康上の理由で、あまり食べられません。

演劇学校の方が「ナイトスイミング」

これは途方もない宇宙の果て辿りつつ、自分自身を知ってゆく壮大なドラマです。15歳で別れてしまった友人たちと20年ぶりにある宇宙の一地点で出会うとき、、。自分は35歳になっているが友人たちは15歳のままだ。

これはぞくぞくする空前な時間ワールド。しかし哀しい青春ドラマでもある、、。実際、卑近なところでこういうことが起こってしまったら、と考えると、もうそれだけで涙が出てしまう。そして最後には、、。

いやあ、俳優陣もすごく緊密でしかし清々しさを感じる演技。若いっていいなあ、、。でもその若さにはとてつもない運命が待っていた。

秀作。涙なしには見られない。

舞台技術学校の方が古典ともいえるゴーリキーの「どん底」。

これはすごい。貧民でもアンタッチャブルの貧民世界に身を置いて、毎日生きていること自体苦痛であるという境遇に置かれた人たちの話。身につまされる。でも随分と古い作品だけど、見事現代的なテーマへと昇華しており、感動させられた。

俳優陣に日本人でないような方が何人かいて、それが国際的で人間への掘り下げに陰影を与え、幅広の舞台となった。素晴らしい。こちらも感動して涙が止まらず、、。

 

ラスト、遠因が舞台に上がり、観客とエールを送る。ああ、また涙!

 

 

高校時代って、こんなだったけ? と、甘酸っぱくもどかしい当時を片鱗も感じず見ている僕だが、でも、後期思春期っていいもんだと思う。また、5人の若者がそれぞれきっちり自分の想いを等分に描いているのが素晴らしいと思う。

今でもこんな新鮮な思いを今どきの高校生が持っているのか、とは思うが、時代は過ぎてもこの思いは不変なんだと思いたい。そんなことを思わせる実に素敵な青春映画でした。

恋と愛をきちんと描いているのが印象的で、偉いです。

 

 

 

2時間の卒業公演。最後にあいさつした森原氏の書き下ろしで、この2時間は偉いと思う。いろんなお話が錯綜しており、退屈になることはない。死を彷徨う一人の青年に今までの演劇への想いが走馬灯のように流れてゆく、、。

若々しいというべきか、随分とハチャメチャのような展開だが、ところどころ、ふつふつと沸き起こるのは、演劇への想い。これはホント、観客席へとストレートに伝わった。なんとさわやかなことよ!

 

やはり若いということは、何でもできるということだ。卒業公演というからには、これで演劇を去る人もいれば、本格的にまたやってみたいという人もいるだろう。そんな、彼らの想いをやさしい春の訪れを告げる雨が静かに降っていた。

 

題名からは全く窺うことのしれない次元の違う世界へ誘い込むシャオガンの悠久の世界。おどろおどろしく、現代の麻薬たるマルチ商法という実態に迫りつつ、人間の弱さを照射する。そして現代中国への批判の目を少し感じる。

出だしから撮影がものすごく純度の高い鮮烈さでドギモを抜くほどだ。もう映画ではドローン撮影は当たり前で、映像が美しすぎる。普通の農民がマルチ商法に簡単に入ってしまう現代中国の病巣を描きつつ、結局は現実生活の営みに戻るベタさは、けれどそれほど気にならない。

 

このマルチの悪夢のような様相は永い時間をかけ描写しており、通常の中国映画では感じられないエネルギーを猛烈に感じ取った。人間が豹変する暗黒の世界でもある。

 

人は自然から生まれ自然に戻るのだ。映画的高揚を得て、静かに僕は頭(こうべ)を垂れる。