最近、よく夢を見る私です。
私が小さい頃から音楽に触れていた理由は、おばあちゃんにあります。
おばあちゃんは人前で歌うのが本当に大好きで、地元の健康ランドにしょっちゅう通っては、宴会場にある大きなステージでカラオケを披露していました。おばあちゃんが十八番『雪椿』を歌い出すと、その場の空気が一変し、それまでお菓子をつまみながら喋っていたおじいちゃんおばあちゃん達が釘付けになっていたのを、今でも鮮明に覚えています。おばあちゃんのステージングは正にプロ並みで、画面に映る歌詞になど一瞥もくれず、ステージを端から端までいっぱいに使いながらお客さんにアピールをし、曲の最後になると『みなさま、ご静聴ありがとうございました』と深々と丁寧に頭を下げ、大歓声の中エンディングを迎えるという、それはまるでテレビの中の演歌歌手のようでした。ステージから降りたおばあちゃんが知らない人達に声を掛けられながら私の元へ戻ってくる時、なんだか誇らしいような、少し照れくさいような気持ちだったのを今でもよく覚えています。
今夜のおばあちゃんは、行きつけのカラオケボックスのオーナーからCDを一枚作ってみないかというお誘いがあり、その話におばあちゃんはとても喜んでいて、そしてそのCDに収録する曲を私が作るという夢でした。
私が音楽と共に歩み続けているのは、小さい頃から習っていたピアノ教室と、小学校に通っていた合唱団の影響が大きいのは確かなんだけど、根本的な部分はおばあちゃんにあるのかもしれない。おばあちゃんの意思を受け継いで歌っているという大それた事は言えないけど、私がステージに立つ時、もしかしたらおばあちゃんがそばに居てくれているのかもしれないですね。
おばあちゃんは、天国でも歌ってると思います。
おばあちゃんの孫として恥ずかしくないような歌い手でありたいと、ふと思う丑三つ時でした(笑)
麻友