【回廊珈琲について】

もう何年前かすら覚えていない。

僕は佐藤くんとOLD ROOKIEというバンドで活動していた。

渋谷DESEOというライブハウスでコンスタントに演奏をさせてもらっていたのだけれど、何回目かの出演で

hunter's trap

というバンドに出会った。

watsonの石井誠司くんと茂木晋祐くんが在籍していたバンド。

当時のライブハウスシーンは共演するアーティスト同志がコミュニケーションを取ることが本当に稀だったのだけれどハントラとは打ち解けた。

運命的なもので、お互いが頼んだわけでもないのに違う場所でライブをする時も偶然にもハントラが一緒だったりDESEOでも何回かブッキングされていたりと…彼らと顔を合わせる機会が定期的にあったんだ。

そんな中でOLD ROOKIEは活動に限界を感じてきて解散してしまいました。

ハントラの進歩に嫉妬していたことも原因にあったかもしれない。

OLD ROOKIEが解散した一年後…

ハントラから連絡が来る。

『ハントラがイベントを、勝負のイベントを開催するから出演してほしい。無理を承知でOLD ROOKIEで出演をしてもらえないだろうか?』

ハントラの呼びかけで僕らは一年振りに再び集まって本当に最後のライブをした。

そして

hunter's trapも解散した。

前進する為に。

その間、僕といえば…

ただただアルバイトをして、ライブハウスからの出演依頼も避けて、逃げて、自分から音楽を遠ざけていました。

誠司くんと茂木くんは未来の為に

watson

を結成して、とにかくライブをしてプロモーションしていた。

そんなwatsonが羨ましくて、嫉妬して、僕はこっそり彼らの活動をチェックしていたんだ。

性懲りも無く、こんなダメな僕をライブハウスは声を掛けてくれました。

バンドが解散したことの哀しみを拭いきれないまま、ソロとしてライブを四谷天窓で地道に再開した時です。

watsonが天窓に出たいと連絡をくれたのでスタッフさんに相談したところ即オッケーが出た。

彼らが天窓に初めて出演する時に、僕も初めてwatsonを観に行った。

客席から二人を眺めることに何故か緊張しまくったことを今も覚えています。

そのライブ後にwatsonと僕とでイベントをしようという話しが持ち上がった。

スタッフに相談して日時を決めて、下北沢のミスドでイベントの詳細を決める会議をした。

くだらない話しばかりで、全くもって何にも決まらない(笑)

watsonはコーヒーのおかわりばかりしていたし、僕はドーナツを4個も食べた記憶がある。

決まったことはイベントタイトルだけ。

watsonの持ち曲と僕の持ち曲を足したのをイベントタイトルにしようと。

watsonの曲に『珈琲』というキラーチューンがある。
僕の曲に『回廊』という今となっては演奏されていない歌がある。

合わせて…

【回廊珈琲】


これが始まり。

みなさんに分かって欲しいことがあるのです。

僕はwatsonがいなかったら音楽を辞めていました。

彼らは僕に生命を吹き込んでくれたんです。

感謝してもしきれない大切な想いをwatsonの二人は僕にくれました。

だから、

彼らがステージに立ちたいと思うのなら、僕はどんなことがあっても、例えそれが人っこ一人いない縁側だったとしても…

【回廊珈琲】

の場所を探すと決めています。

だって

僕らの

唯一

帰れる家みたいなものだから。

1月19日

久々に『約束の地』

へ帰る訳です。

それでいて『始まりの場所』です。


みなさんにとっても

『約束と始まりの場所』

に、なったら嬉しいな。

純粋に

観て欲しいです。

ただ

純粋に。。。




vo.gt 柴田博