「俺は君の味方だから」

 

 

僕が東京行の飛行機に乗るとき、見送りに三人の友達が来てくれました。

みんな遠くから来てくれて、がんばれと一言言ってくれました。

さて、入場時間まであと1時間弱、そろそろ中で待つか

といったところで

 

20人近い集団がこっちによってきます。

上は大人から、下は中学生くらいまで。

 

認識するのに時間はさほど変わりませんでした。

同級生たちや、その親、面倒を見ていた後輩までもが僕の見送りにサプライズで来てくれていたのです。

 

僕は膝から泣き崩れました。

人目をはばからず、大泣きしました。

 

そのあと撮った集合写真では無様にも目を赤くした自分の顔が嬉しそうに映ってました

 

 

東京到着

二年ぶりに踏んだ東京の地は、なんだか異世界に来たみたいで、あまりにも現実味がなかったのを覚えています。

浅草線?山手線?都営バス??

 

(・・?  

結局、寮に到着した時間は予定より二時間過ぎた後でした

 

~入社~

 

満員電車に吐きそうになりながら、入社式を迎えました。

胸に希望を携え、よき人にたれと、心に刻みながら

 

でも現実は甘くなかった

 

膨大な知識の量においかけられ、出会ったことのないレベルの知性を持つ人に圧倒され、少しずつ削られるメンタル。

だんだん他人が怖くなる。同期にもなじめない。テストでは再々試験まで回されました。

 

とにかく食らいつこう、元気に元気に元気に…

 

「ちょっと失望したよね」

 

そう、先輩に言われました。

僕はしちゃいけないことをしました。

幸いそれは何か大きな問題を引き起こしたわけじゃなかったのですが、知らなかったとはいえやってしまった。

 

背中から汗が止まらない

動悸がする

改札で座っていれば、まるで万力に頭がつぶされるが如く。

不安定な僕のメンタルは、彼女との縁すらも切ってしまいました。

 

助けが欲しい。誰か。誰でも

 

僕はある日、たまたま同じ日に仲良くなったとある上司に呼ばれ一緒に休憩をとることになりました。

 

「大丈夫か?」

 

今思えば、間違いでした。

周りは忠告してくれました。

 

「俺は君の味方だから…」

 

周りはお前のこと、裏で行ってるけど

俺は味方だからな

 

 

 

僕の心は完全に壊されました。

僕は、裏でいろいろ言われているのだと。

 

はたから見ればただそれだけかもしれません

 

それでも地方出身にとって、味方がいなくなるのは死活問題でした。

それから僕の人生には彼が横にいるようになりました。

 

久しぶりの心の安定

ある意味救われていたのです。

 

そしてそれは、社会では洗脳とも言います

 

 

ある晩メンタルが崩壊して、彼に泣きつきました。

その時

「俺さ、この前泣きながら白明のことを訴えたんだよ!」

本人曰く、白明はつらいんだぞ、もうやめてやれと。

素直にうれしかった。

 

「それ嘘だから」

 

彼にそんな事実はないと、一人の上司が続けました。

何月何日のあれこれ、全てうそだよ

 

僕は「人間不信」になりました。

 

「白明君、もう一旦休みな

「顔、笑ってるのに、目がわらってないよ」

 

半年の休職をさせてもらいました。

その後僕は復職するも、結局ミスがひどく、自己嫌悪にはまった僕はやめることになります。

 

「そんなにそこがつらいなら、こっちにこいよ」

そんな僕を一人の友達が拾ってくれました。

 

夜職で働いているらしく、人手不足だからと。

 

終わった人生、すがる思いで僕はその仕事を始めることになりますが、僕はこの選択ができてよかったと思いました。

その話は、またあした…

 

 

 

 

【後編】導かれた運命