コワーキングの出会いとこれからのワークスタイル | 紫熊会計士の脳内

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企業経営、会計に関するネタを中堅・中小企業の立場に立って書いていこうと思います。その他雑感も。

このブログは、コワーキング・アドベントカレンダー(番外編)に参加しています。

コワーキングとの出会い

昨年は東日本大震災やら監査法人のリストラなど、良いことがあまりありませんでした。そんな中、コワーキングとの出会いが自分にとっては大きな収穫の一つです。実はこれには伏線があるのです。一昨年の半ば頃に、所属する監査法人の同僚数人で「会計士業界の30年後」を議論しました。いくつかのテーマを皆でディスカッションした後、担当を決めて文章にまとめました。自分はそのうち「会計士のワークスタイル」を担当しました。そこでは30年後はITの飛躍的進歩によって決まったオフィスは不要になり、会計士達はもっと身軽に遊牧民的に仕事をしているだろうと予想したのです。

しかし、今になって振り返ると大きく間違っていました。
30年も必要ないでしょう。もうあと2、3年で実現してしまうのではないかとさえ思います。
そう思わせたのはコワーキングとの出会いです。

監査法人のオフィスには、1人1席の座席があてがわれていません。
それはもともと 会計士のワークスタイルが、クライアントなど外で仕事をするのが基本形だからです。

もともと監査法人では決まった時間に毎日事務所に行くという文化がありません。前々からクライアントに行かない日もなぜ事務所に行かなくてはならないのかという疑問を抱いていました。
そんな中、Googleでいろいろ物色していたところ、Pax Coworkingを発見‼ 昨年の8月下旬に初ドロップイン。オープンマインドを持った人達、異なる世界で仕事をしている人を受け入れるカルチャーがそこにはありました。様々なプロジェクトが自然発生的に立ち上がり形になっていくスピード感もあります。こういう刺激はすごく重要です。事務所に籠っているだけでは絶対に得ることはできません。
でも一方で、監査法人の事務所がコワーキング・スペースのようであって欲しいと思っていたりもします。

コワーキングと会計士

コワーキングスペースに出入りするようになって数ヶ月が経ちますが、今のところこういう場所にいる会計士には会ったことがないし、聞いたこともありません。

ということで、「我が国初のコワーキング会計士」と自称することにします。皆さんよろしくお願いします。

さて、
昨年の11月から12月にかけて、PaxCoworkingではスタートアップのファイナンスについて勉強会を開催しました。私はそこでアドバイザーとして参加させていただきました。とはいっても自分のこれまでの業務で得た経験談を交えて好き勝手な意見を言うというもので、むしろこちらの方が、まだまだ勉強すべきことが沢山あると多くの気づきを得ることができました。
コワーキングしている人の多くが、スタートアップ起業家であることが多く、会計士の専門知識や監査法人のネットワークを必要としている、または今後必要とする人が多くいます。守秘義務の関係もあるので、コワーキングスペースでフルタイムの業務は難しいけれども、例えば週1回~2回の頻度でいくつかのコワーキングスペースに顔を出すのはアリだと考えています。そして1人では限界があるので、何人かの会計士が他のコワーキングスペースで同じような活動をして、時に重複しつつ情報共有をしていくことにより、ゆるいインフラを構築することができるのではないでしょうか。

最後に

コワーキングすると人脈がつくれる=自分のビジネスにすぐに役立つ、と理解する向きもあるかもしれません。確かにそんな要素も否定はしませんが、「様々な活動を通して誰かに貢献しているという達成感」「仲間の成功を心から祝福できる連帯感」というところにコワーキングの醍醐味があると思っています。そしてそれは「仕事」の本質なのではないでしょうか。