横浜のCafe PLUS(2026/2/12)。

TeN (vo)
Chizuru Ohmae 大前チズル (key, vo)

 

<Waltz for Debby>での鍵盤は和音での伴奏などではなく、かといってソロでひた走るものでもなく、歌と自由のあいだにあってひたすらカッコいい。そしてなめらかなマチエールの声からときに情が突き出してくる<さよならの向こう側>はすばらしく、帰宅してからもシングルカットをなんども聴いた。

 

 

Fuji X-Pro3, XF60mmF2.4, 7Artisans 12mmF2.8

千駄木のBar Isshee(2026/2/3)。

 

 

Shoko Nagai 永井晶子 (accordion, electronics)
Kota Yamazaki 山崎広太 (butoh dance)
Yumiko Tanaka 田中悠美子 (taisho-koto, shamisen)

 

身体の動きも感情の発露も、如何に小さくても社会との関わりという文脈で予測するものだろうけれど、山崎広太という人のそれは文脈を裏切り続ける。そして、新たに作られた文脈は高速で次々に塗り替えられる。これは驚きだ。

アコ―ディオンは濁りで点から線、線から面へと音の次元を拡げ、三味線と大正琴は絶えざる亀裂で聴く者を覚醒へと引き寄せた。

 

 

Fuji X-Pro3, 7Artisans 12mmF2.8, XF60mmF2.4

 

 

 

なってるハウス(2026/1/30)。

 

 

Kaori Nishijima 西島芳 (piano, voice)

Tsutomu Takei 武井努 (tenor sax, flute)

Yuki Nakayama 中山雄貴 (trombone)

Rabito Arimoto 有本羅人 (trumpet, bass clarinet)

Misaki Motofuji 本藤美咲 (baritone sax, clarinet)

Kiyotaka Moriuchi 森内清敬 (darbuka, percussion)

 

ゲストが本メンバーになって6人。『Love Shippolly』からは「間」が大切にされている音楽だろうと受け止めた(『JazzTokyo』でのレビュー)。今回あらためて体感してみると、テーマである「息のかさなり」を得るための立ち上がりの時間がとてもいいことに気付いた。重ね合いの色がグラデーションをもって静かに変わっていく。

#2385 『Ensemble Shippolly / Love Shippolly』 – JazzTokyo

Fuji X-Pro3, 7Artisans 12mmF2.8

国立映画アーカイブでニューヨークのアンソロジー・フィルム・アーカイブスの特集上映。もちろんキーマンはジョナス・メカスなのだけれど、今回の上映は他の実験映画が多い。なんとかハリー・スミスの回に行ってきた。『ハリー・スミスは語る』を紐解いてみるだけでもその怪人ぶりがわかろうというものだが、映画もたしかにおもしろい。どこにも「ハリー・スミスの一部に過ぎない」という感覚があって、それに呑まれたのか、客席のあちこちから鼾が聞こえてきた。
『ナンバー11』の音楽はセロニアス・モンクの<Misterioso>。ミルト・ジャクソンのヴァイブも聞こえてきたから、音源は『Milt Jackson and the Thelonious Monk Quintet』だろう(この曲の演奏は1948年)。前掲書にはもっと驚くことが書かれている。この日上映されなかった『ナンバー4』に登場する絵について。観たい!
「ディジー・ガレスピーの<Manteca>という曲を絵にしたものだ。絵の一筆一筆がレコーディングされた音に対応している。そのレコードがあれば、スライドを見ながらどの音がどの線に対応しているか指し示すことができるんだけど。」
アンソロジー・フィルム・アーカイブスにはなんどか足を運んだ。シネフィル的な人たちが我先に映像に反応して「解っている」という合図を出したりして、マウンティング合戦に余念がなかった。どの国でも似たようなものだなと笑った。
トートバッグ販売と書かれていたから窓口で欲しいというと、スタッフの人がじつに嬉しそうな顔をして持ってきたのを覚えている。もちろんいまも愛用している。

やっと行くことができた。戦後ヤミ市がどのようにできて、どのように東京の都市開発に結びついていったかという内容で、とても充実している。ヤミ市のことについては、つい「焼け野原に違法に広がった市場」と説明してしまっていたが、それも正しくはないことがわかる。
とくに新宿がフィーチャーされており、4つのテキ屋の縄張りと現在の姿が重なる。西口の思い出横丁(旧・しょんべん横丁)はもともと民有地であり営業者がまとまって購入できたために現在も残っている、など。1949年の東口地図をじろじろ見ると、すでにカメラのアルプス堂がある!(2020年に閉店)


展示では「新興市場地図に描かれた280のマーケット」というサイトが紹介してあり、地形図と空中写真の推移を見ることができてこれもまたおもしろい。
https://experience.arcgis.com/experience/db64e736277b472fb7c641ffa4f59023/
 

ウチ(駒込)の近所を調べてみる。
六義園については、かつての加賀藩の下屋敷を三菱の岩崎が明治期に購入、さらに1938年に東京市に寄付されたあとも、地図上ではざっくりと「岩崎邸」と書かれている。いまの文京グリーンコートは六義園より前に岩崎が分譲したところで理研があったことで有名だけど、理研の前には巣鴨病院(がん治療専門)、あとには原子力研究所と変わってきている。
千駄木の谷は昔の藍染川、さかのぼると田端~駒込の谷田川。やはりというべきか、20世紀初頭は宅地がまったくない。1920年代に藍染川に、30年代に谷田川に家ができていった模様。暗渠の記憶はこの百年のものか。
 

高島屋の向かい側の丸善で「もっと楽しむ30冊」という連動企画がなされていて、ブックガイドももらった。このうち目を通したことがあるのは5冊くらい。また楽しくなってきた。

 

ブルーノート東京(2026/1/18、マチネ)。

 

 

Kenny Garrett (as)
Melvis Santa (vo)
Keith Brown (p)
Corcoran Holt (b)
Rudy Bird (per)
Ronald Bruner, Jr. (ds)

 

浦安の飲み友達だったユーゴ君に誘われて、久しぶりに観る気になった。20世紀にG. M. Project(チャーネット・モフェットのテクに驚いた)、自身のグループ(テインがつまんなそうに叩いていた)を観て以来。そのころはオリジナル<Sing a Song of Song>のテーマを観客に歌わせて手を耳に当て「声が小さい」という仕草で盛り上げるノリ、今回も曲は違うけれど同じようなもの。

けれども甘辛く突き刺すような音色でアウトして主導するサウンド作りはさすがなのだ。盛り上げるならソウル、ファンク。

新宿ピットイン(2026/1/11)。

 

 

昼夜7グループ堪能しました。藤井郷子さんの懐の深さに加え、田村夏樹さんの七色の音にあらためて感銘。思い出して「Out There!」掲載の田村さんインタビュー(文・末次安里氏)を読むと、「ネグリジェ・サロン」でのデビュー話とかものすごくおもしろい。ちょうど25年前。

 

【1部】
1) 14:00 Trio
Ayako Kanda 神田綾子 (voice)
Natsuki Tamura 田村夏樹 (tp)
Ippei Kato 加藤一平 (g)
2) 15:00 Satoko Fujii Orchestra Tokyo
Sachi Hayasaka 早坂紗知 (as, ss)
Kunihiro Izumi 泉邦宏 (as)
Kenichi Matsumoto 松本健一 (ts)
Daisuke Fujiwara 藤原大輔 (ts)
Ryuichi Yoshida 吉田隆一 (bs)
Natsuki Tamura 田村夏樹 (tp)
Yoshihito Fukumoto 福本佳仁 (tp)
Takao Watanabe 渡辺隆雄 (tp)
Yusaku Shirotani 城谷雄策 (tp)
Yasuyuki Takahashi 高橋保行 (tb)
Toshihiro Koike 古池寿浩 (tb)
Toshiki Nagata 永田利樹 (b)
Akira Horikoshi 堀越彰 (ds)
3) 16:00 This is It!
Natsuki Tamura 田村夏樹 (tp)
Satoko Fujii 藤井郷子 (p)
Atsushi Itani 井谷享志 (per)【2部】

4) 17:00 天藤丸
Tenko 天鼓 (voice)
Toshimaru Nakamura 中村としまる (No input mixing board)
Satoko Fujii 藤井郷子 (p)

5) 19:00 藤井郷子 カルテット
Natsuki Tamura 田村夏樹 (tp)
Satoko Fujii 藤井郷子 (p)
Takeharu Hayakawa 早川岳晴 (b)
Tatsuya Yoshida 吉田達也 (ds)
6) 20:00 Duo
Natsuki Tamura 田村夏樹 (tp)
Satoko Fujii 藤井郷子 (p)
7) 21:00お年玉バンド
Koichi Makigami 巻上公一 (voice, theremin)
Natsuki Tamura 田村夏樹 (tp)
Junji Hirose 広瀬淳二 (ts, baroon)
Satoko Fujii 藤井郷子 (p)
Mitsuru Nasuno ナスノミツル (b)
Yasuhiro Yoshigaki 芳垣安洋 (ds)

平井敏晴『中華と綺想』(工作舎)を年末年始に。中華という上位概念がある。そこから阻害されたもろもろのヴィジョンへの渇望が噴出した「中華もどき」としてのマニエリスム。建築物や言語など制度的なものだけでなく、ナム・ジュン・パイクのヴィデオ・アートや音楽論までこの文脈で語られることに驚嘆。



入谷のなってるハウス(2025/12/27)。

 

 

Yuichi Ushioda 潮田雄一 (g)
Takashi Seo 瀬尾高志 (b)

Tetsuro Fujimaki 藤巻鉄郎 (ds)

 

この1年間の毒を抜こうと思い、もっとも毒気の強そうな場に。ためらいなく繰り出される音どうしが組み合わさってつぎつぎに新たなかたちを作り出す。弦の弾性はその場に出された音をフックのように引っ掛け、打音もまた減衰にとどまらず他の音を引き寄せている。

 


 

Fuji X-Pro3, XF60mmF2.4, 7Artisans 12mmF2.8

駒込の東京琉球館(2025/12/24)。

 

 

Fumio Itabashi 板橋文夫 (p)


最初のメドレーで自然に<じんじん>のような琉球音階が出てくるところから板橋さんの世界。<If I Were A Bell>のような小気味いいスタンダードから最後の<グッドバイ>まで歌に没入した。

 


Fuji X-Pro3, XF60mmF2.4