忘れもしないあの日は、娘の夏休み登校日でした。
娘を送り出し二度寝をしていたところ、携帯の着信音が鳴りました。
画面に出ている電話番号を見た瞬間、反射的にベットの上に正座してしまいました。
電話の声は婦人科の看護師さん
『今すぐ来れますか?』との言葉
『分かりました』と返事をしながらベットから飛び降り
すぐに母に電話をかけました。
病院からすぐ来るようにと連絡があったことを伝えると
大きなため息をついて沈黙
『がんじゃないの?』と小さな声に
『多分そうだろうね、、、』
と答えることしか出来ない私でした。
まだ1週間経ってなかった。
封書ではなく、直接の電話
ただ事ではないことが本当に起こってることを受け入れなければならない。
母はこの時ばかりは、ママではなく娘として
『お姉ちゃん、、、』と声を押し殺して私を呼んでいました。
お姉ちゃんと呼ばれているときは娘として母が見ている時
その“ お姉ちゃん”が心地よく感じながら
現実に引き戻されてる自分に
ちょっとだけ可笑しく思えてました。
娘の登校日のお迎えを母に頼み
今までにない一日が始まりました。
8月29日、私にとって人生の中でこんなにも長い一日はありませんでした。