サラブレッドカントリークラブ | ゴルフ場探訪記 in 福島

ゴルフ場探訪記 in 福島

震災と原発事故で大きな打撃を受けた福島県のゴルフ場、様々な歩みを体験リポートする。

サラブレッド・カントリークラブ

2014年3月26日


サラブレッドカントリークラブはいわき市渡辺町にある。常磐自動車道湯本ICより、車で10分、アクセスはいい。

開場は1991年年9月1日、ベント1グリーンの丘陵コースである。

ダービーコースとオークスコースがあり、36ホールのセッティング。

東日本大震災の影響で一時ダービーコースはクローズしたが、今は平常に戻って、どのコースでもプレーができる。周囲は小高い山に囲まれているが、開放感がある。雪の多かったシーズンもようやく終わり、春の気配が日を追うごとに濃くなってきた。梅の花が咲きだしており、自然の息吹を身近に感じる。

挑戦したのはオークスコース。正確なショットが要求される戦略性に富んだコースである。


サラブレッドカントリークラブ


パー4のミドルはティからグリーンを見通すことができるホールが多いため、狙いを絞りやすい。しかし、気を抜けない。ティーショットをミスすれば、取り返すのが容易ではない。中途半端なショットが許されないタフさを備えている。距離は長いとは思えないが、手ごたえがある。


特に印象に残ったのが18番ホール。難関ホールである。。両サイドに池があるが、ティショット位置からは左の池が見えない。正確なコントロールと戦略が求められる。セカンドは狭い花道のサイドが池、グリーン前はコブのあるラフ、グリーンは横長で、ピンポジションによって乗せる場所も正確性が必要。玄人好みの人気コースだという。


ここまで順調に来ていた巨匠はこの18番で足元を掬われた。池と狭い花道は見た目以上に圧迫感がある。
巨匠

名人は最後の「ひところがり」で明暗を分けた。「ひところがり」でバンカーに入り、「ひところがり」で池につかまり、ひところがりせずにカップに届かなかった。

マーフィの法則に「ゴルフは最後のひところがりのゲームだ」というのがある。一転がりがカップインということもある。一転がりで笑い、一転がりで泣くというのだ。この日の名人はひところがりが裏目に出た格好だ。
名人

コースメンテナンスも行き届いてはいたが、異様な光景があちこちにみられた。

コース上に掘り起こされた土があちこちに盛り上がっているのだ。(写真)

犯人はイノシシだという。イノシシが土壌の中にいる餌を求めて、やみくもの掘り起こすのだという。

イノシシ被害1

イノシシ被害2

かつてこんなことはなかった。イノシシがなぜゴルフ場に大挙してやってくるようになったのか。これは原発事故のため、餌がなくなり、南下してきたのだ。傍若無人のイノシシにゴルフ場は頭を痛めていた。

対策もとっていた。大きな音を出して追い払っているという。しかし、広大な敷地で実行するのは難しい。原発事故の影響がこんなところにも出ていた。イノシシもまた、住処を追われ、故郷を失ったのである。


クラブハウスはオフホワイト基調にもゆったりとしている。レストランなどの設備も充実している。


クラブハウス

きめ細やかなサービスがいい。名人はプレー終了後、ゴルフクラブをブラシを使って清掃してくれることに感激、スコアは伸びなかったが気分上々の様子だった。

サラブレッドカントリークラブを経営していた株式会社サラブレッドカントリークラブは、2007年3月31日に株式会社大宮國際ゴルフ場と合併。西山興業グループが経営母体となっている。

福島県内では棚倉ステークスカントリーが系列ゴルフ場である。

西山興業グループは競走馬育成、生産部門として西山牧場を保有している。このためか、ゴルフ場の名前が「サラブレッド」、コースの名前も「ダービー」と「オークス」、系列の棚倉には「ステークス」の名がある。ゴルフも競馬もともに天候や芝の状態で左右されるという共通点があることにはあるが・・・・・・

ともかく繊細なコントロールを磨かなければというのが今回の結論だった。