羽生結弦の価値を再確認した2019GPF | siennaのブログ 〜羽生君応援ブログ〜

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羽生結弦選手の現役時代をリアルタイムで体験できる幸運に心から感謝しつつ、彼のスケートのここが好きあそこが好きと書き連ね、ついでにフィギュアにも詳しくなろうと頑張る欧州住まいのブログ主です。

羽生結弦の真髄をとことん見せてもらった試合でした。

 

「情熱」「理想」「正しさ」「リスペクト」「一途」「意地」「覚悟」「矜恃」そして「挑戦」

 

これらは、自分が彼の試合を見るたびに、特に苦しい試合を見るたびに、脳裏に浮かぶ言葉たちです。


17歳 2種2クワド

22歳 3種4クワド

25歳 4種5クワド

 

こんな業績と成長と長寿のヒストリーを記録に残せるフィギュアスケーターは後にも先にも彼以外に存在しないはずです。

 

五輪2連覇という偉業を果たしてからのボーナスステージ、満身創痍であろう「ロウソクが燃え尽きる前」の状態で、そして背水の陣で迎えたフリーで4種5クワドをみごと初達成してしまいました。20歳、伸び盛りのネイサンに一歩たりとも引くことなく。

 

今回PCSでネイサン(文句ない勝者です)に抜かれたことについて、繋ぎをかなり省略していたし…という意見が散見されました。彼比ではそうかもしれません。でも、私は彼のファンとして「彼比の採点」はしたくないのです。あくまで、その試合における他選手との相対的な評価の中で納得できる採点を求めます。現地で見ていてシンプルに「勢い」や「まとまり」ではネイサンに負けていたかもしれないけれど、プログラムとスケートの濃さ、決まったジャンプの美しさではやはり上を行っていたと感じていました。

 

「彼比」ということであれば、本当に繋ぎが大幅に削られていたのかを確かめるために何度も今季自己ベストのスケカナフリーともスロー再生で見比べてみました。

 

その結果、トランジションのうちマイナス変化として目立つのは、2本目4Sを4Lzにしたことで変更になったセットアップ分くらいでしょうか。他にもトルソーのムーブメントが浅かったりアームの上げ下げが控えめだったりはありますが、実際足元のターン・ステップという点では自己ベストの時とさほど変わっていないのです。もちろんジャンプミスによる「彼比」の不足はありますが、ネイサンのパーフェクト時のTRやSSと比べて遜色あるとはとても言えますまい。失敗分はGOEで引けばいいだけのことでTRやSSで逆転するほどのものではないかと。

 

ちなみに羽生くんに激辛PCSを付け、一方ネイサンに最高のPCSを並べたジャッジNo.6のイタリア人トイゴ氏、ツイッターでは他ジャッジの採点を盗み見したのが発覚し資格停止2年という過去の部分だけが回っていましたが、ナショナルバイアスに関してもダントツに自国アゲが目立つジャッジであることが記録から証明されており、信頼性においてファイナルという重要な大会の席に連なるべき人物ではないのではないかと考えます(以下当ブログ過去記事より引用)。

 

平昌派遣ジャッジ中、唯一コメントを寄せたのはイタリアのワルター・トイゴ氏だ。氏は、これとは関係のない件(他のジャッジの点数を写し取っているところを目撃された)で、2年の資格停止処分を受けたことがある。だが、我々の分析において彼は別の理由で目立っていた。彼は自国選手らに平均7.5ポイントというアドバンテージを与えていたのだ。これは我々のジャッジリストの中でも最大だ。

 

なぜこんな人が五輪やファイナルのジャッジに採用されるのか…。そして、No.3のオーストラリア人ジャッジは駿くん4Lzに加点3、ネイサンに2、羽生くんに1というGOEを付けたり、今季のロステレ女子、トゥルソワフリーに大半のジャッジが160点台を付ける中、1人140点台を出したジャッジです。

 

いくらジャッジにより視点が異なるといっても、重要な大会を採点するISUジャッジにプロモートされるまでにはあまりにも大きな主観のズレは収斂されていて欲しい、でなければオリンピック競技の採点として信頼は得られないだろうと思うのですが。

 

ですから、ネイサンにGOEやPCSで下回ったことは、ノーミスvsミス有り演技という要因以外にも、ジャッジのメンツにより変わりうる水物だと捉えています。まさに、「点差ほどの差はない」です。

 

羽生くんがこの構成を滑り込んでパーフェクトを達成した時、同じくノーミスのネイサンとの勝負が楽しみです(行くのか私、モントリオール〜〜)。