インサイドスケーティングさんのオーサーインタ、ほぼ全訳 | siennaのブログ 〜羽生君応援ブログ〜

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羽生結弦選手の現役時代をリアルタイムで体験できる幸運に心から感謝しつつ、彼のスケートのここが好きあそこが好きと書き連ね、ついでにフィギュアにも詳しくなろうと頑張る欧州住まいのブログ主です。

12月22日付のこちらの記事、クリスマスが終わりようやく時間ができたので、遅ればせながら拙訳をアップします。羽生くん部分は読みやすいようまとめつつほぼ全訳、他選手部分(ジュンファン、ジェイソン、ジェーニャ)はつまみ食い訳でアップさせていただきます。なお、インタのタイミングはロステレ、男子フリー後のプレカン中ということです。

 

元記事はこちら。アクセスが増えることでまた良い記事を載せていただけるはず。クリックよろしくお願いします。

 

ブライアン・オーサー:「大人のスケーターとして全ての試合に勝つことはない。勝負の場を選ぶのだ」

 

(前略)

 

ジュンファンの五輪体験について:

 

「おそらく五輪が彼を変えた。大人にしたんだ。五輪はあらゆる人間に変化を起こす。アスリートだけじゃない。コーチにも、ジャーナリストにも。五輪を体験することで人生が変わるんだ」

 

ジュンファンの優れた面について:

 

人気、真面目さ、ルックスやシャイで人好きのする性格への言及に続け、「この新採点ルールは彼にとっては吉と思う。スピン、ステップが素晴らしく(great)、ジャンプもとてもいい(very good)からだ。ジャンプは素晴らしいとは言わないが、とてもいい」

 

ジュンファンのPCSがまだ低いことについて:

 

「試合後のジャッジミーティングで彼の名が上がり、注目されていると確信している。我慢強くいい滑りを続けるだけだ。ファイナルへのチャンスもあり、そこで一流選手と混じることができれば素晴らしい。彼には大きなチャンスがある」

 

教え子の入れ替わりについて:

 

「ジェイソンとエフゲニアの加入は予想できなかったこと。同じく教え子が去ることも予測できない。7歳から自分が見ていたとても優秀なジュニア男子が僕から離れていった(編集部注:ゴゴレフのこと。訳者注:ゴゴレフはクリケット内でコーチ変更し、今はリー・バーケルがメインコーチ)。とても残念なことだが、自分としては今まで通りの仕事を続けるだけだ。自分を希望してきた選手は多い」

 

新しい生徒の受け入れを決定するまでに:

 

「余裕があるかどうかを確認する。グループレッスンが主流の欧州と違い、自分はマンツーマン。30分〜1時間を1人のスケーターに割く。1日に5セッションとして7〜8人を受け持つのが上限で、今いる生徒が抜けない限り新しい生徒は受け入れられない。今季エフゲニアとジェイソンはハビとトゥルシンバエヴァの空席に入った」

 

ジェイソンについて:

 

「最初はノーと言った。エフゲニアが多くの時間を必要とするのが分かっていたし、その時はボーヤンについてオファーもあった。ノーと伝えたが、前から決まっていた通り彼は数日クリケットに来て滑った。するとトレイシーが彼を気に入った。じゃあ、君に任せるよと(冗談ぽく笑いながら)、受け入れることになった。今もジェイソンを見るのは主に彼女と他の数名のコーチだ」

 

「長年のコーチを離れるのは一大プロジェクトだが、前コーチはいい関係のまま、この移籍をサポートしてくれた」

 

「彼は気持ちのいい人間で練習熱心。そしてスケーターのスケーター(玄人受けするの意)だ。良いスケーターは彼のスケートを見るのが好きだ。トランジションもラインも美しい。彼の存在は喜ばしい」

 

PCSが非常に高くTR王と呼ばれたジェイソンだが、この路線にフォーカスするのか、技術面を向上させたいのか:

 

「技術面で少し改革を図っている。それが必要だからだ。古い習慣を変えるのは難しいがそこに向かって歩んでいる。ポニーテールも無くなった。リストの筆頭にあったのがポニーテールを捨てること。変わりたいのならば思い切ってやる必要がある」

 

長年の習慣が染み付いていることが受け入れをためらった理由なのか:

 

「そう。ベテランスケーターはコーチチームにとって大きなチャレンジ。そのためのエネルギーと時間が自分にあるか確信がなかった。だが、彼が主に望んでいたのはユヅやジュンファンと一緒に滑ることだった。それならばトレイシーや他のコーチに任せてもいいと思った。というわけで彼は自分自身のプロジェクトとは言えないが、見守りつつ助け船も出せる」

 

エフゲニアも長年の習慣が身に染み付いているが:

 

「新しい生徒がここのスタイルに慣れるまでには1年半かかるといつも言っている。エフゲニアのスケートは素晴らしいが古い習慣がやはり顔を出す。彼女だけじゃない、ハビもユヅもガビーもみな1年半ルールにぴったり当てはまった。そこを我慢できれば後の上達は早い」

 

「彼女に必要なのは、大人の美しい女性に合ったスケートを見つけること」

 

ジャンプ技術の修正について:

 

「修正ありきではなく、成長による重心やバランスの変化に対応していく。彼女の技術自体は素晴らしい。その上にさらに積み重ねるということだ」

 

「彼女の素晴らしさは反復練習システムの賜物だ。この方法は年若い選手には有効だが大人の身体はそれに耐えられない。つまり、新しいやり方に信頼を置くしかない」

 

量より質ということか:

 

「その通り!だが自分は誤解されるのは嫌だ。過去にその意図がなかったのに誤解があったようにね。なぜなら自分は他の陣営のスケーター育成法には舌を巻いているんだ。どうしたらあんなことができるのか分からないよ」

 

エフゲニアの変化:

 

「印象が変化したのは速かった。彼女は着いてすぐにユヅやジュンファン、ジェイソンと滑リ始めたからね。スケーティングスキルなどグループで練習する機会がとても多く、彼女がそこから何かを学ぶのは速かった」

 

「スケーティングの変化が分かる。スピードが上がった。自分が重視するのはスピードとフローだ。もちろんまだ始めて数ヶ月なのでできたことは限られているが」

 

長期的なプランがあるということか:

 

「例の1年半ルールがある。無論、1年半ただ待つということではなくその間頑張る」

 

「ある時パート練習の最中、エフゲニアがコーナーを回って3Sを跳んだんだが、その時のスピードやひと蹴りの伸びが、彼女自身が意識しないままレベルアップしていた。僕は思わずトレイシーの腕を掴み、見て!できたよ!短いパートだけどできるようになった!と言ったよ。彼女はジャンプを跳ぶことしか考えていなかったはずなのに(他の部分が)できるようになっていた」

 

他生徒の彼女への反応について:

 

「誰もが受け入れたと思う。僕らは一つのチームで、お互いに支え合う。彼女はジェイソンと同じくみんなに礼儀正しく親切で練習熱心だ」

 

クリケットでは生徒どうし、練習中の交流はあまりないようだが?:

 

「そうだ。ストローキングクラスは全員一緒に行うが、セッション中それぞれが自分のプランに従っている。エフゲニアのそれはジェイソンとは違い、ジェイソンのそれはユヅとは違う。同じ場所に集まっていても各自別々の方向から来るという感じかもしれない。型抜きクッキーの工場とは違う。それは自分の流儀ではない。1人ひとりの個性に我々コーチが合わせていく。全員が懸命に努力すること、スケジュール通りであることを前提としてね。それがモットーだ。そして毎週、毎日、調整していく」

 

「もちろん全試合で勝つのは楽しいだろうが、それは男女関係なく大人のスケーターには無理な話。ユヅと一緒にいるのは7年目だが、彼が1シーズン中二つのグランプリで優勝したのは今回が初めてだよ。2度の五輪金メダリストで2度の世界王者なのに、グランプリで2勝したことはなかったんだ。大概優勝するのは一回。全く優勝がないシーズンもあったが、その時はファイナルで優勝した。ワールドで勝たなかった年もあったし、四大陸は一度も優勝していない。だが、肝心の大会では優勝している、そうじゃないかい?(と、微笑む)」

 

ユヅルについて。「彼はまだ守りに入る気はない。攻めの姿勢だ」:

 

(ちょっと脱線:最初この記事をざっと読んだ時、この段落につけられた上のタイトルがパッと目に入り、うまいな!と唸ったのですが、これがオーサーの言葉通りというところで、さらに感心してしまいました。原文はHE’S NOT READY TO JUST RIDE THE WAVE. HE’S TRYING TO CREATE WAVEなんですが、ride the waveというのは「評判を楽しむ、評判に乗っかる」という意味のイディオムです。つまりここでブライアンが言っているのは、「ゆづは自分の築き上げた名声に安住するつもりはまだない。さらにコトを起こそうしているんだ」ということ。しかし、日本語でwave(波)を活かした訳をするとなると難しく…。結局この仮訳のようにひねりゼロな訳しか思いつきませんでした。無念)

 

ついにグランプリで2勝したが、ユヅルの反応は:

 

「まだ彼とは話せていない(このインタビューは男子FS後のプレカン中に行われた)。やりきることができてただただホッとしていたよ。今朝の公式練習で足首を痛めてしまったからね。それもかなり酷く。手当てをし、話し合いをし、エレメンツの順番を変更し…これをどう切り抜けるかを探った。どんな感じになるのか、6分間練習で氷に戻るまで彼にも分からなかった。彼を本当に誇りに思ったよ。グランプリでついに2勝あげたことを喜んではいるはずだが、まだシーズンは終わったわけじゃないからね」

 

現役続行へのモチベは一体どこから:

 

「分からない。僕も驚嘆している。戻ってきた彼は別人のようだった。あれは何だったのか。ミーティングをして、彼がまた1年滑りたいと言って。彼はただ、まだ終わったという気がしない、と言った。彼はスケートが好きで、試合が好き。毎日駆り立てられているんだよ。それが彼の人生であり、彼はそれを愛しているんだ」

 

「でも、今季は他のどのシーズンとも違った。心を開いたような、新鮮な感じがあった。リフレッシュされていた。練習時だけの話ではなくて、なんと言うか、彼のものの見方だ。彼の側にいるのは…眩しい感じがあった(lit:スラングで「すごい、素晴らしい、エキサイティング」という意味ですが後に金メダルの話が出るのでその光とかけてこの語を選んでみました)。二つの金メダルが彼を眩しくしているのかな?分からないけど!そのせいかもしれないね」

 

「でもそのことにみんな、特に自分が、心からの喜びを感じたよ」

 

「彼自身、本当に楽しんでいたせいもあって、これまでのプロセスはとても楽しかった。それにそれほど思い詰めなくなった。以前はとても思い詰めていて、駆り立てられていたからね。それが欠点になりそうなくらい。今はもっと寛いで(smell the roses。これもイディオムです)あたりを眺め、仕事や練習をしながら、自分の才能を楽しんでいる。ああ、実際彼の持っている才能ときたらね(この部分、and he has a giftという言い方はイタリックで書かれていることからも分かるようにどれだけ彼の才能がすごいのかということを強調しています)。フィギュアスケートにとって幸いなことにね」

 

五輪連覇した今、彼が滑る目的は別の金メダル等ではなくスケートそのもののため、その過程のためになる?:

 

「そう思う。スケートのためにスケートをしている。なぜなら彼は本当にスケートがうまいから。彼自身の言葉では、試合でいつか4Aをやれるようになりたいと。練習していた時期もあったがシーズン中の今はその時ではない。怪我も心配だからね。今日も見た通りね…。それに、法外に難しいことだ。でもやれる者がいるとすればそれは彼。いつも何か新しいことに挑戦している。これは技術上の挑戦ということになる」

 

「今夜は変更したが、4T3Aもやっている。前回フィンランドの大会で跳んだ。初めてのことだが、実際に見ると圧倒される」

 

「とにかく自分に挑戦し続けている。2度の五輪金メダリストだというのに、守りに入ることなく、攻め続けているんだ。そういう様子を目撃できるのは自分にとってもとてもエキサイティング。僕は焚きつけてはいない。彼はそういう人間なんだ。僕は楽しませてもらってきたし、彼と共に居られるのは光栄でしかない」

 

「4Aについてはまだ少し心配をしているが、彼がやる気なのだから自分はそれに従っている。この点で彼をサポートし、彼が今より身体的に強くなるようにする。彼はもちろん強靭だがこの4回転半という超絶技をコントロールするにはオフアイスで特定のフィジカル強化をすることが必要だからね。僕は急き立てるのではなく、彼の後について行っている」

 

今季の両プロはジョニーとプルシェンコへのトリビュートか、それとも単に選曲のインスピレーションを得たのか:

 

「トリビュートだと思っている。彼は、ジョニーとプルシェンコという、これ以上ないというくらい異なった2人に憧れている。ユヅルにとってこの大会は本当に重要だったんだ。怪我をしたことは残念だ。プルシェンコへのトリビュートとして、モスクワでは特別に良いフリーを滑りたがっていたからね。ビールマンスピンすら練習していたんだよ(笑)。以前やっていたものだが年と共に背中への負担は増す。でも先日、プルシェンコのためにトリビュートとしてビールマンを入れようかな、なんて言ってね」

 

それもまたチャレンジですね!:

 

「そう!でも彼が過去のスケーターたちを尊敬しているのはいいことだ。彼は2人を讃えているけれど、他のスケーターについてもそうじゃないかな」

 

(後略。新採点基準についてのオーサー談になります。興味深いですが力尽きました〜)

 

以上。