ドイツ語新聞翻訳記事 | siennaのブログ 〜羽生君応援ブログ〜

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羽生結弦選手の現役時代をリアルタイムで体験できる幸運に心から感謝しつつ、彼のスケートのここが好きあそこが好きと書き連ね、ついでにフィギュアにも詳しくなろうと頑張る欧州住まいのブログ主です。

ワールド目前!!!

さて、温故知新というか神演技の再来を願って!!

私たちゆづファンの宝物、12年ワールドのロミジュリに関するドイツ語の記事を見つけたので訳して保存しておきたいと思います。

ドイツ語圏では名高い,歴史あるクオリティーペーパーです。

オリジナル記事クリップこちらをクリック




(2012年3月31日付記事)

パトリック・チャンがフィギュア世界選手権で2年連続金メダル。
だがニースで話題をさらったのは別の選手、17才の日本人だった。

どうやら現在フィギュアスケート界で世界王者になれるのはこの男と決まっているらしい。
昨年モスクワに続いて21才のカナダ人、P・チャンが土曜日に行われた大会で2度目のタイトルをものにした。
しかし、結果発表の瞬間、会場にブーイングが響き渡った。

チャンの極上のスピン

このブーイング、アモディオとジュベールという地元のヒーローを、4位や5位ではなく表彰台で見たかったというフランス人からだけのものではなかったと思われる。
何故チャン選手が今日FSで一位になるべきではなかったのか、まっとうな理由を挙げられる会場のフィギュアファンは少なからずいるはずだ。

すでにSPでもミスがあったにも拘らずトップに立ったチャンが素晴らしいスケート技術を見せたことは間違いない。彼はエッジで氷を撫でる男だ。他の選手達がガリガリと氷を削りながら滑る一方、チャンの場合音楽を消したところで何の音も聞こえないかもしれない。スピンはクリエイティブとは言えないが極上である。加えて極めて優秀なジャンパーでもあり、土曜日の競技ではただ一人4回転-3回転コンビネーション及び4回転単独をプログラムに入れてきた。

しかしながら彼が次々と勝利を手中にするのは、彼がおそらくは04年に導入された新採点法しか知らない最初のチャンピオンであり、そのシステムを徹底的に自分に有利に利用しているためだ。彼の「アランフェス」のアダージョ ー フィギュアの定番の一つ ー の振り付けは感じもよく、格調あると言っても良い。しかし、ギリギリ踏ん張ったコンビやアクセルでの激しい転倒といった、肝を冷やす瞬間が無ければ少々眠気を誘うFSだったかもしれない。


センセーションを巻き起こす羽生結弦

ニースのエキシビションセンターを埋め尽くした観衆の目がはっきりと覚めたのはそれより一時間前だった。17才の日本人、羽生結弦が演技を開始した時である。その後、様々な専門家が、「私たちは次のオリンピックチャンピオンを見た」とコメントするに至った。羽生は世界選手権初出場でいきなり3位を獲得。SPが終わっての順位は7位というものだった。

しかし、羽生はFSで観客を興奮の渦に巻き込んだ。クレイグ・アームストロングの映画音楽が流れる中、彼はロミオであると同時にジュリエットであった。途中のめり込み過ぎたのか簡単なステップ中に正面から倒れた後、演技は更なる深さと情熱を放つようだった。その後に続く6人の選手 ー 07年のワールドチャンピオン、ブライアン・ジュベールと10年のチャンピオン、同国人の高橋大輔を含む ー はFSで羽生を上回ることはできなかった。生来のエンターテイナー、アモーディオのみが同じように観客を熱狂させることができたのだ。

最終的にジャッジはパトリック・チャンにより多くの点数を与えた。SPとFSの合計からなる最終得点ではSPで3位だった高橋がチャンと羽生の間に割って入った。




以上、とてもよく会場の雰囲気が伝わる記事なのでした。