それはヒーローになりたかった英雄の伝説
皆様は1番好きな映画はあります?
俺は真っ先に金子正次主演の
竜二と答える。
無名役者が無名監督と撮った、
インディーズ映画であり、
殺人もviolenceも無い、
ヤクザ映画。
地味だし、低予算だけど
何回観たか数えきれない。
公開時に癌の為、33歳でこの世を
去った金子正次氏の力作。
柳楽優弥主演で竜二がリメイクされるが、
やはりこの映画は金子正次氏を
超せないと思っている。
寅さんをリメイクしても
渥美清さんを追い越せないのと同じだ。
何度も舞台化もされた名作でもある。
だが…
金子正次氏の自伝映画となれば
この作品のみ
竜二 Forever
2002年公開
高橋克典氏は役者として
サラリーマン金太郎や、只野仁の
印象が強いし、そこを超す何かを
感じた事が無かった。
期待はしていなかったが、
彼が演じた金子正次はリアルだった。
現に納豆とキムチだけを3週間
食べて10キロ体重を落として
挑んだと言う。
金子正次役とはまた、難関だ。
アングラ劇団員だった金子は、
歌舞伎町等でヤクザまがいの
水商売をやりながら
荒ぶる生き方をしていた。
だが、夢は映画スターになる事。
水商売もアングラ劇団も通過点に
過ぎない。
だが映画スターになるには
自ら脚本を描いて映画を作るしか
道が無かったのだ。
そこで頼ったのが、既に映画スターで、
親友だった松田優作(高杉亘)
優作の協力と、芝居仲間の協力も
あり、竜二は苦戦しながらも
完成する。
金子正次氏もそうだが、松田優作氏を
演じた役者もそうは居なかったが、
高杉亘氏の優作役も様になっていた。
映画は完成するも、金子は末期の
胃癌に侵されていたのだ。
東映の配給が決まり、
竜二は劇場公開された。
インディーズ映画であったにも
かかわらず、立ち見が出るほどの
盛況ぶりで、金子は
その年の日本映画を総なめにし、
賞を取った!
まさに映画は予算でも無く!
流行りの役者の力でも無く!
実力だと証明した。
だが公開時の1983年11月6日
金子は胃癌の為、逝去する。
享年33歳
令和の現在でも、竜二はリメイクされたり、
再評価されてDVDも売れている。
全く無名役者で、チンピラにしか
過ぎない役者が伝説を残した。
そして親友の松田優作氏も
6年後の11月6日
癌の為、逝去。
命日も同じである。
激動の昭和の中に、生き抜いた
最後の映画スターの物語である。
男に生まれたのなら
意地でも生きていたい・・・・
新宿や幡ヶ谷あたりに行くと、
お会いした事も無い金子正次氏を
今でも思い出す。
きっと白い竜は今でも生きている。



