あと少し。二日前の報告part4 | 望月六郎的日記『中年勃起』

あと少し。二日前の報告part4

6月11日

 

と、言うことで6月9日のお話です。

『駆け込み訴え』の稽古も四回目です。

一時に家を出て、御徒町駅出口至近、ガード下『よもだそば』にて

小カレー小たぬき蕎麦五百六十円也を食す。

カレーはトマトが効いたインド風カレー、それに負けないカツオだし宇いた温蕎麦つゆも気に入った。

 

youtubeのおじさんB級グルメ情報は大変頼もしい。

気分良くメトロ湯島駅隣のMUSIC BAR『道』へ向かう。

三階が『道』、四階が『道』のアートスペース的空間で、

ペンシルビルの階段を登っていくと、ドアが開いたままの『道』から

比留間聡子女史が

『ご苦労様です』

ねぎらいの言葉を掛けてくれた。

 

本来、日曜だけじゃなく昼間は休店の『道』ではあるが比留間にはある野心があるらしい。

平日『ひるまcafe』を始めたらしいのだ。

ホットドッグ、ブリトー、チーズケーキ、特製ブレンドコーヒーとブルースと比留間が売りらしい。

詳細は比留間のSNSで調べて訪ねて下さい。

今度食ってみよう。

 

で四階到着。中瀬古健と彼のお友達、後輩俳優の高橋くんが待っていた。

僕の家での最初の打ち合わせの折」「誰か手伝ってくれる人を用意しえて」とリクエストした。

舞台監督、進行的、なんでも頼める人が必要だと思ったからだ。

僕も昔は機転も効いたし、体も動いた。

しかし、今はそうはいかなくなっているから、若い力が必要なのだ。

中瀬古もそのうち自分のことで一杯になると踏んだからだ。

 

高橋くんは今日で三階目の参加。

頼りになる若者をリクルートできる中瀬古の実行力に感心しました。

 

前回のブログでも書いたが『駆け込み訴え』はバクっと

 

プロローグ

海岸の思い出

マグダラのマリア

エルサレム凱旋

最後の晩餐

エピローグ

 

で出来ている…と思っている。

前回の稽古で『エルサレム凱旋』を講談風でなんとか乗り切った…ことにしておこう。

中瀬古は

「ここが一番面白かった」的感想を漏らしたが、正直僕はここからだと思っている。

ラスト20分。

文字通りクライマックスです。

今まで中瀬古の為に頭を絞ってきたが、ここから先はもっぱらお客様の為を思わないとな。

お芝居も映画も、時間的表現は時間との戦いだ。

「そろそろ終わるな」とか「早くおわんないかな」とか見ている人はどうしたって時間が気になる。

これはお芝居にとっても映画にとっても避けられない宿命だ。

忘れてもらうことは出来ないまでも、実際の事件のように、現象のように、感じて

時間が進んでいる事を気にかけないで鑑賞してもらう。

これが理想ですよね。

ここ数日、ガードマンして、突っ立ちながら、「ここは王道、お芝居で行くほかないな」と決心した。

 

一人芝居だし、いろいろ制約はある。

しかし一人芝居だからこそのパワ

一人で何役もやれば無理繰りすぎて、滑稽に映ってしまう心配もある。

しかし一人芝居だからこそのパワー、というかパッションもあるはずだ。

 

落語は話芸。そんなやり方だってあるかもしれない。

でも僕は話芸じゃない、ほんとの芝居で勝負する方法を中瀬古に求めようと考えました。

 

この日の僕の開口一番は「ここから先は全部覚えて」だった。

 

『駆け込み訴え』のクライマックスは『最後の晩餐』だ。

イエスキリストと十三人の弟子が登場人物です。

イエスが弟子の脚を洗ってやったり、諭し聞かせる。

食事を共にし、そして裏切り者を炙り出す。

 

キリスト教徒でなくても、基本誰もが知ってる世界一有名な物語のピークの一つです。

中瀬古はイエスとユダばかりか、ペトロまで演じて見せた。

 

『最後の晩餐』の最後に、僕は一つのギミックを考えいた。

そのままズルズルとエピローグに向かうのが、どうしても嫌…というか

お客様にギアをもう一つ上げてもらう為に、一発でかいパッションが必要だと考えたからです。

思いつくには思いついたけど

でも、それがうまく行くかどうか、

中瀬古健に演じて貰うまでは僕に自信は無かった。

 

やりすぎ、というか『空振り』の可能性もありだと考えていたからです。

 

で、演出を伝え、演じてもらった結果は思った以上に大成功でした。

 

『鳥肌が立ちました』と高橋君が感想を漏らした。

若者よ、先輩の苦闘を見るのはいい勉強だね。

手伝ってくれたからこそ見ることが出来る、特大のご褒美です。

ここ、もう一つ良くなるアイデアも、自宅一人飲みで思いつくことも出来ました。

楽しみだなあ。

 

この日、エピローグまで芝居をつけるのに要した時間は2時から6時の4時間弱。

途中休憩はトイレだけ。

誰もタバコ吸わないし、4階だから階段を上がり下りするのも楽じゃない。

「ちょっと休憩しよう」と何度か僕が言うのだが、結局、集中していて

他のことに話題を切り替えるわけにもいかない。

「気分転換にはタバコっていうのも案外いいかもね」

と中瀬古と会話しました。

 

エピローグは5〜8分かな。

頑張ればこの日、出来そうではあったけど、僕は体力気力ともにエンプティだった。

中瀬古健もたっぷりのボリュームで、お腹いっぱいって感じだった。

そこで残りはまた来週ってことにしました。

それじゃあ。