九州の魅力を発見する旅
今回は、九州観光の王道中の王道と言ってもよい?大分県は『別府』のまちを巡る小さな旅です!
日本人が大好きな「温泉」
日本中には有名な温泉のまちがいろいろとありますが、日本一!の規模、といえばやはり『別府』
1つの市全体が温泉だらけ…と言ってよい規模は圧巻です。
一口に『別府温泉』と言っても、大きく8つのエリアに分けられて『別府八湯』と呼ばれているそう。さらにその中にも『○○温泉』と名乗る湯どころが沢山あるので、もうすべてを知り尽くすにはどれだけの時間があっても足りなさそう。
そんな奥の深~い『別府』の観光を小さな旅で回ります。
で、見学・体験できたのはほんの1部分だけですが、まあ、何回訪れてもうれしい・楽しい別府!!ですから…ということで気軽に参りましょう!!
今回も2回に分けてご紹介します。
『別府』の市街へは、福岡市内からですと、九州自動車道の鳥栖ジャンクションから大分自動車道経由でほぼ約2時間。朝、家の用事をちゃっと済ませてから出発すると、丁度お昼ご飯時に到着…という感じです。
ということで、まずは腹ごしらえから。
別府の市街地を散策するのによいロケーションのお店、ということで、別府の駅前から近くて、国道10号線から少し入ったところにある『お食事処 とよ常』さんの本店にGO!本店には駐車場があるので、ここで。
大分は魚が美味しいところです。
だいたい、九州はどこでも魚が美味しいところですが、大分の魚はまた格別では?
ということで!大分、と言えば『関サバ』『関アジ』!早速お昼から行ってみましょう!!たっぷりお造りはいずれも2200円。『関サバ』『席アジ』ともに『豊予海峡(大分市関崎と伊方町佐多岬に挟まれた海峡『速吸の瀬戸(はやすいのせと)』とも呼ばれる)』で獲れて『佐賀関』で水揚げされたもの。魚の高級ブランドです。
それに、当然?『とよ常』さんの名物!サクサク衣の天丼。
「天丼って、べちょべちょした衣が苦手で…」という方もおられるかもしれませんが、ここの天丼の衣はほんとうにサクサクの食感で、他にはない!!一度は食べてみる価値あり!!です。
もちろん、脂がのった『関サバ』『関アジ』は最高!!!です。
昼間っからお腹いっぱいになったら、いよいよ別府市街の散策へ!
散策のルートはNETで見つけた『別府てんてく 食べあるき・まちあるき』のイベントマップに従って回ってみます。
もともとは600円でいろいろな特典をいろいろなお店で受けながら食べ歩きをする、というイベントですが、別府市街の観光名所めぐりがわかりやすくできるようなので、これを活用。
まずは、『流川通り』から『竹瓦小路』を抜けて『竹瓦温泉』へ。
新型コロナの影響かあるいは土曜の昼間だからか(夕方営業のお店もあり)ちょっと寂しい『竹瓦小路』の様子。
だけど、何ともレトロな雰囲気。
でました!『温泉のまち別府』の”顔”『竹瓦温泉』!!
創設は明治12年(1879年)。現在の建物は昭和13年(1938年)に建てられたもの、ということは実に80年以上も前の雰囲気そのままの温泉です。別府の温泉イメージのビジュアルはここ!
昼間からたくさんの人が出入りしていました。通りからでもお風呂屋さんらしい「かぽーん」という桶の音が聞こえてきてました。
行ってみてちょっとビックリしたのが、『竹瓦温泉』のすぐ裏手(駅側)は別府の風俗街になっているところ。
飲み屋さんばかりでなく、「ソー○ランド」や「ピン○サロン」などが所狭しと密集しています。夕方、夜の散策は要注意ですね。すぐに迷い込んでしまいそう…(汗)
そんな場所を抜けてちょっと西に向かうと『別府銀座商店街』、通称『ソルパセオ銀座』です。アーケードの商店街。
『ソルパセオ銀座』のもう一つ西側の通りもアーケード街になっていて、こちらは『やよい天狗通り』
並行して南北に延びる2つのアーケード商店街が別府駅前の中心街です。
『やよい天狗通り』からさらに西に向かって進んで行くと…何ともレトロな理髪店!!
こんなお店が残っているのですね~。別府の市街地の散策は思わぬ発見がたくさん。
懐かしい『昭和』の時代にタイムスリップしたかのような気分になります。
前の写真の奥に見えていた『西方寺』さんの角にある『SELECT BEPPU』
築100年の古民家を利用した若手クリエイターたちのミュージアムショップ。別府市のプロジェクトとして運営されています。
古民家の限られたスペースに所狭しと並べられたグッズの数々。面白いものがきっと見つかる…でしょう!
2階はオープンスペースで、このときは襖絵のギャラリーとして公開されていました。
このような、別府の情報発信拠点が街中にあるところがオシャレ、便利でイイですね!
http://www.beppuproject.com/work/541
さすが温泉のまち別府!!
市内のあちこちにお風呂屋さんがある。別府駅周辺を散策しても、『竹瓦温泉』だけでなく、本当によく目につく。
こちらは『不老泉』さん。集会所機能を持った、市営の温泉施設です。
どんどん線路の方、西に向かって歩いていくと…鉄道高架下に商店街が!!
線路の真下にずら~っとお店が並んでいます!!この『べっぷ駅市場』は、鮮魚、青果、乾物などの日常のお買い物が中心の、別府の人々の台所。
ところどころに空き店舗を活用した交流スペースなども設けられていて、レトロな中に現代風の工夫も。
狭い空間ですが、なかなか便利そう。生鮮食料品なども新鮮でおいしそうです。
『べっぷ駅市場』の駅側の入り口。
駅ビルから線路に沿って少し南に行った場所にあります。
http://www.beppu-sc.jp/ichiba/index.html
JR別府駅。
さすがに昔から観光地として栄えてきた土地柄、人口約12万人の都市としては大きな駅ビルです。
駅の前には足湯ならぬ「手湯」の施設。その隣には何やらけったいなおじいさんとなぜか裸で振り回されている子どもの銅像が???
この方は『油屋熊八』さんという人で、『亀の井旅館(現:別府亀の井ホテル)』の創業者。別府の観光を推進し全国に名を広めた地元の名士だそう。それにしても名士の銅像にしてはこのポーズ…こんなところが別府のイイところなのかも??
別府駅前の一番目立つところにあるレトロな洋風館、別府『駅前高等温泉』
宿泊もできてしまうお風呂屋さんです。
https://www.visit-oita.jp/spots/detail/4498
別府の駅前にはこんな場所も!昔ながらの映画館!!『ブルーバード劇場』
さらに、そのお向かいにはこんな施設も!
オールデイズの生バンド演奏だそうです『ヒットパレード クラブ』
その奥にも何かありそうな…。
公園の奥にはやはりお風呂屋さんがありました。市営の『海門寺温泉』
『ヒットパレード クラブ』の向かいが『やよい天狗通り』の入り口です。もう一度『やよい天狗通り』に入ってみます。
アーケード街を抜けたところにあるのがこのモニュメント…というかお神輿が飾ってあります。
『天狗』さんですね。厄除け…という意味の他にも何やらありそうですが…実際に見て確認してください(笑)
『やよい天狗通り』から再び西に向かって、出発点に戻る途中にあったのが…『平野資料館』
明治から昭和にかけての別府に関する観光などの資料が展示されているのだそうですが…残念!当日は開いていない様子。
平野さん、という個人がコレクションして展示している資料館だそうで、まるっきり外観は個人の家!
個人がなされているので、事前に確認をして行った方がよろしいみたいです。
別府の中心地の散策、最後はここ!別府のランドマーク、『別府タワー』!!
高さ何と!90m!(展望台は55m!)
う~ん、並の高層ビルの方が高い…。昭和32年(1957年)完成、ということでかなり古い!
登録有形文化財になっています!!もう、骨董品。
東京タワーを設計した内藤多仲(たちゅう)さんの手によるものだそうです。
それでも、周りにあまり高い建物がない別府の街並みですので、景色はイイ感じ。この日は天気がイマイチでしたが、高崎山も間近に見えています。
こちらは山手の方の様子。鶴見岳や由布岳が霞んであまりよく見えていませんが、趣のある風景。
さすが観光立国、都市の人口に対して、街並みはかなり建てこんでいる感じ。ホテル、旅館も沢山並んでいます。
では、本日の別府市内観光はここまで…ですが!もう1か所!!巡ってみましょう!
別府市街の中心から車で30分程度のところにある、別府市のお隣、『日出(ひじ)町』にある『日出城址』に行ってみます。
『日出城』は、慶長7年(1602年)に、初代藩主木下延俊(のぶとし)が築城したお城です。
日出藩は石高3万石。小さな藩ですが、当時の日出城は小藩にしては大きな規模を持っていたそうです。
城下町としてはお隣の『杵築城下』が立派に保存・整備されていて有名ですが、日出城周辺も歴史を感じさせるように景観が守られています。
※杵築の様子は下記で
https://ameblo.jp/side-in-planning/entry-12195010007.html
『日出城址』は現在は小学校の校庭となっていますが、立派な石垣が残っています。
海(別府湾)側から見た城跡の様子です。少し鬱蒼とした感じがありますが、ベンチなどもあって、ブラブラと散策するにはよい場所です。
城跡から別府湾を眺めた様子。目の前に『高崎山』が見えています。
そう、このお城のすぐ”下”の海の周辺こそ、かの有名な高級ブランド魚『城下カレイ』の産地!!です。
お城の下だから『城下カレイ』。日出町には『城下カレイ』がいただける料理店がいくつもあるのですが、残念!今回は食することかなわず。次回別府を訪れた際にはぜひ!!と心に誓います。
日出町には、『城下カレイ』の他にも、麦焼酎のブランドで有名な『二階堂酒造』さんがあったり、小さい子どもたちの聖地!『サンリオ ハーモニーランド』があったり、実はいろいろ名物があります。
『日出城址』に行く際には、観光交流拠点『二の丸館』が便利。広い駐車場もあります。
実際にはぐるりと散策して最後に施設内に入ったので、すっかり喉も乾いていて、営業時間ギリギリだったカフェに無理を言っていただいた、ドリンク&パフェ!
パフェは和風のごまと黒糖のパフェ。こってり甘くてエネルギー充てんバッチリでした。
館内は、日出町のいろいろな情報をしっかり発信!『城下カレイ』のお店も紹介していただけました!
日出城址には、石垣や町並みのだけでなく、いくつか復元された施設を見ることもできます。
その1つ『鬼門櫓』災いを招き入れるという北東方向=鬼門に建てられていた櫓です。
実は、上の写真は失敗…この建物はやはり北東部分の角がないところが特徴だそうですが、その方向が写ってません。気になった方は現地でご確認を。
内部はちょっと雑然としていますが、史料展示されています。
『鬼門櫓』からさらにちょっと行ったところにある施設『致道館(ちどうかん)』
『致道館』は、いわゆる日出藩の藩校なのですが、設立は安政5年(1858年)。ペリーの黒船来航が嘉永6年(1853年)、明治元年が1868年。激動の時代のさ中に建てられた藩校です。
つまり、日本の国が激変し、列強諸国との関係も一気に困難となった時代に、わずか3万石の日出藩がいかにこの時代を乗り切っていくのか…その危機感の中から人材育成を第一として取り組まれたのが藩校の設立だった、ということだそうです。
8歳以上の若者が学んだ『致道館』では、武士だけでなく農民、町民からも人材が集められ、設立を命じたお殿さまも自ら教鞭をとった、ということ。当時の日本人には本当に頭が下がる。
『致道館』の2階の様子。
ここは特に成績のよい者達が下宿を認められた場所だそう。この場所で、当時の少年たちはどんな未来を語ったのでしょうね?
ちょっと散策しただけでも盛沢山だった別府市と日出町。
小さな旅の1日目はここで終わり、いよいよゆったりと温泉に浸かりにホテルに向かいます。