海の自然にも恵まれた福岡にはいろいろな”島”があります。

”島”には都会にはない自然が沢山残っています。

そんな”島”を巡るのもFUKUOKAの大きな楽しみの1つですが、今回は”滅多に行かない島”=宗像市の『地島(じのしま)』に渡ってみました!!


実は初めての上陸!


早速『地島』に向けて出発!!





『地島』に渡るには、『神湊(こうのみなと)』の渡船場から宗像市得地島渡船(ニューじのしま)で行きます。

『神湊』の渡船場からは『うみんぐ大島』などのレジャー施設があって釣客などで賑わう『大島』に渡る航路もありますが、『大島』への船に比べて『地島』に渡る『ニューじのしま』は結構小ぶり。ちょっと可愛らしい大きさの船です。

船外のデッキなどへは出れませんが、船内にはゴロンと横になってくつろげるスペースもあり、空調も利いて意外に快適。

『神湊』から『地島』の『泊』までは所要時間15分。

あっという間の船旅です。

http://www.city.munakata.lg.jp/w050/040/040/050/050/0060/201501270634.html




で、あっという間に『地島』の『泊』港に到着。ここで下船しました。

『地島』には、泊港がある『泊地区』と『豊岡地区』の2つの集落があって、もう1つの集落の『豊岡地区』には『白浜渡船場』があります。

『神湊』から『泊』に15分で来た『ニューじのしま』はさらに10分かけて『白浜渡船場』に向かいます。


2つの集落と渡船場がある『地島』ですが、2つの集落を合せても世帯数は68世帯、人口165人(平成28年4月末:宗像市統計)。

渡船場の船着き場も上の写真のとおり。
ターミナルとか、商店とか、食堂とか…そんなものは何もありません。



船が着いた渡船場の岸壁にはずら~っと”タコツボ”が並んでるだけ…。

タコが採れるんですね。



 


渡船場の待合施設は小さなバラック小屋…しかないのかな~と思ったら…。




新しい建物が別にありました。

1階の『泊港渡船待合所』には、キレイなトイレ、小さな移動図書館もあって、クーラーも利いて快適!!

ただし、売店や自販機などはなく、10人も入ればギッシリとなるくらいの小さな待合所です。

島の「診療所」もありましたが…診療所の開設は月に2回。島の人は普段病院に行くときは本土に渡るのでしょう。





泊地区の様子。

う~ん、本当に何もない。人家もまばらな感じ。

自販機が1台ありました。自販機がある建物は、泊地区で唯一の売店ですが…閉まっている…。この日は日曜日。休店日なのでしょうか…。




では、島の散策に出発!!

もう一つの集落『豊岡地区』まで行ってみます。
地図によれば、『泊地区』から『豊岡地区』までは、自然を楽しんで歩く?山道を散策する『つばきロード』(遠見山遊歩道)と県道豊岡泊線の2本のみ道路が通っています。


上の写真は泊地区の集落のはずれにある『厳島神社』

集落の守り神さまでしょうか?小さなお社の神社です。





『厳島神社』の向かいにある『西光寺』さん。

神社とお寺さんの間の道を進んでいきます。




すぐに見えてきた『つばきロード』の入り口の標識。

この右手の狭い道が遊歩道です。
『つばきロード』を行ってみましょう!





と!いきなりこんな感じ!!!

えっ!道はどこにあるの~???

草ボーボーです。
途中、木が倒れて道をふさいでいる場所もありますが、ほったらかし。

管理はほとんどされていないみたい。

でも、気を取り直して?、倒木をまたいで遊歩道を進んでみます。





日が当たる場所は草ボーボーでしたが、山に入って木陰になってくると整備された遊歩道になってきました。陰になっているので草もあまり生えないのでしょう。

あちこちが蜘蛛の巣だらけです(笑)


階段状になった場所を400段登っていくと…。





『大敷(おおしき)展望台』です!!

「北九州方面まで一望できます」とのことですが…。

草がビッシリ生い茂って、展望台に入れない(涙)。

背が高い草に邪魔されて、景色は全く望めません。



気を取り直して、さらにドンドン山を登っていきます。
『地島』は小さな島ですが、山が険しい島でちょっとした山登り気分が味わえます。





『地島』で一番高い『遠見山(とおみやま)』(186m)の山頂に着きました。

黒田藩の番所もあったという『沖ノ島展望台』です。沖ノ島が展望できるのでついた名前のようです。

確かに結構高くまで登ってきたのが実感できます。

が…。




ここもすごい雑草!!

展望台に設置されたテーブルも草に埋まっています。
失礼ながら、テーブルの上に上ってみないと景色が全く望めない。



では頂上から、『豊岡地区』に向かって降りていきましょう。


 

原生林に囲まれた遊歩道。

なかなかワイルドな感じで、あまり味わえない風景では?人の手が入っていない森が広がっています。

ジャングルの中を歩いているようです。


ただ遊歩道は一本道なので、山道に迷う心配はほとんどありません。


とはいえ、『豊岡地区』に向かう道はところどころ斜面が崩落していて、かなり滑りやすくなっています。十分注意して、天候の悪い日は避けた方がよいみたい。

一応、応急の転落防止処置はされていますが…いつ処置したのか…壊れていてもほったらかしになっているのでは…ちょっと心配です。




いよいよもうすぐ下山…というところで、通行止め???

山の下を通る県道はすぐ眼下に見えているのに…。



でも、大丈夫でした。『つばきロード』の脇にある『大師堂』の石段から県道に降りることができました。




大師堂の石段から県道に降りてきたところ。

豊岡地区からの『つばきロード』の入り口は、小さな看板が目印…って、これじゃあ解らないかも。




県道は結構広くて、きれいに舗装されています。



 

こちらの標識が本来の『つばきロード』の入り口。

ですが、こちらも草ボーボーでどこが入り口かわからないくらい。

もっとも、この先は”通行止め”ですが!

人口も訪れる人も少ない地島では、せっかく整備した遊歩道もちゃんと維持管理していくことができないのでしょうね…。




しばらく県道を歩いていくと『豊岡地区』が見えてきました。




『つばきロード』は遠見山に登る『遠見山遊歩道』と豊岡地区からさらに先の『倉瀬展望台』まで続く『倉瀬遊歩道』の2本があります。

こちらが『倉瀬遊歩道』の入り口。




『倉瀬遊歩道』の入り口にある公衆トイレ。なんと水洗の洋式トイレで、中もピカピカ。こんなにキレイな公衆トイレは都会でも見たことがない。

何もない地島ですが、島のアチコチに整備された公衆トイレだけは他に負けない。



『豊岡地区』に入ってきました。
おそらく地区唯一の自動販売機。建物(『地島漁村センター』)の1階は地区の売店ですが…ここも本日は休店です。



豊岡地区にある『牧神社』こちらも小さなお社です。





地島で唯一見つけた食堂!!

11時から開店…となっていたけど、開いていない!!!

仕方なく持参したおにぎりを食べて我慢することに…すると…ようやく12時近くになって人の気配が!

もうちょっと早ければ食堂で食べたのに(涙)。

食事はそれなりにできるみたい。ビールとかも置いていました。




漁港あるところにネコちゃんあり。
ですが、ネコ好きが沢山訪れる『相島』に比べると、
ネコちゃんの人口密度もグッと少ない。ネコちゃんウオッチングには物足りないみたい。



やっぱり何もなかった『豊岡地区』から今度は県道の方を通ってまた『泊地区』に戻っていきます。

『豊岡地区』と『泊地区』の中間にある『地島小学校』



『つばきロード』の入り口近くにあった『殿様井戸』

どんな由緒なのかは全くわかりませんが。(ネットによると写真奥の井戸ではなくてこの辺のどこかにあったもののようです)



道端に広げられていた椿の実。

つばきロードというくらい、椿は島の名物で、島の”椿油”は特産品になっています。

椿の花が咲く季節でなかったのが残念です。
お花の季節に訪れていたらもっと島の印象も違ったかもしれませんね。




『泊地区』に整備された『親水公園』
屋根付きのパーゴラ、緑の広場もあります。

公園の先には小さいけれど砂浜も整備されていて、海水浴ができるようです。

自由に使えるシャワーもある!!
秘密のプライベートビーチみたい!!




何もないようですが”海”はある!!

波止場で釣りをしている人もチラホラ見受けられます(多くはないけど)。

では、ちょっと釣り糸を垂らしてみましょう…。




ほんの20~30分くらい渡船場の近くで釣りをしてみたら、釣れる!釣れる!
型の小さなタイやアジですが、あっという間に10匹くらい釣れました。
これならちょっとした楽しみになりますね!!


ということで、本当に何もない『地島』

行くのであれば食料も含めてひと通り必要なものを持参していく必要があります。


でも、何もない…ということで”何でもそろう都会の生活”から離れて癒しを得るということはある意味贅沢なことかもしれません。


たまには何もない場所で、何もしないで時間を過ごす…そんな体験ができる貴重な場所…なのかも。

http://jinoshima.net/index.htm