ルームメイト (PG12)


〔勝手に評価 = ★★☆ = リメイクだったらよかったのに〕


2013年/日本映画/110分/監督:古澤健/原案:今邑彩/脚本:古澤健/撮影:浜田毅/美術:清水剛/出演:北川景子、深田恭子、高良健吾、尾上寛之、大塚千弘、筒井真理子、螢雪次朗、田口トモロヲ ほか


【気ままに感想】


意気投合している(はずの)女子2人がルームシェアを始めたけれども、一緒に暮らしていくうちに相手の様子がおかしくなって、自分の日常にも不可解な出来事が起きはじめて、やがて恐ろしい事件に巻き込まれていく…。

タイトルとあらすじを聞いただけで(それと主演の女優2人のキャスティングからして)、てっきりブリジット・フォンダとジェニファー・ジェイソン・リーが共演した映画『ルームメイト(1992)』のリメイク作品だと思っていました。


ところが実は別に原作がちゃんとあった。本屋の文庫本コーナーでタイトルを見つけて知りました。


手に取ってパラパラとページをめくってみると,どうも映画とは筋が違うらしい??

「オチ」である「秘密」の部分(というか…詳しくは書けませんが)は原作の小説と同じのを使っているのですが,ストーリー自体はかなり映画オリジナルになっているみたいです。

それで,原作の作者である今邑彩のクレジットは「原案」になっているようですが…びっくりしたのは、映画の方は、1992年版の『ルームメイト』そっくり!!


確かに1992年版と2013年版は別の話かもしれませんが、作品のラインや雰囲気だけでなく基本となっているテーマも極めて似ている。ルームシェアをする2人の女性の関係性は、1992年版とこの作品とでは、異なるようで実は同じこと=「全くの他人がだんだんと自分のアイデンティティに浸食してくる恐怖」を語っています。

せっかく別の作品(それでもタイトルも含めて紛らわしい)である原作を、わざわざ映画の1992年版に近い形にアレンジし直して制作するその気持ちがわかりません。


どうせ似せるのであれば、むしろ堂々と1992版のリメイク作品としてオリジナルを超える工夫を加えて勝負してほしかった。


2013年版のホラーテイストは悪くないのですが、鑑賞しながら何度もデジャブ感覚に襲われて、どうにも居心地が悪いです。

とにかくそれが残念!1992年版は、ブリジット・フォンダ、ジェニファー・ジェイソン・リーの2人の女優さんが妙に艶めかしかったり、謎めいていたりして結構スリリングな佳作であるので、それに似せたかのようにとられるリスクを冒さなければよかったのに、と思います。

この2013年版は、伏線も含めて結構丁寧に創られていて評判もなかなか良さそうなのですが、もうその根本のところが気になります。

どうにも残念です。


ところで、主役の北川景子ちゃんと深キョンはなかなかいい感じです。ホラーの主役ですから、演じ方も難しい。特に、2人の心理的な葛藤が話のメインなので結構力量を試される作品だったと思いますが、どうにか持ちこたえている。

せっかくの美女2人の共演(2人ともキレイに撮れています)なので、もう少し(予告編みたいに)ゴージャスな感じがあってもよかったのに…とは思いますが(笑)。

どちらかというとコメディタッチのコケティッシュな役が似合うような2人だと思うのですが、ミステリアスな悪女チックな役もできますよ…ということが解って、これからも楽しみです。




★★★★★ 完璧!!生涯のベスト作品

★★★★  傑作!こいつは凄い

★★★   まあ楽しめました

★★    ヒマだけは潰せたネ

★     失敗した…時間を無駄にした

☆は0.5