『陽が傾き、夕暮れが降りてきた。
それが薄暗さを呼び、先刻までの景色の色を奪ったのだ。』
当初、そのように考えた。
しかし、それはすぐに否定される。
影である。
断頭台の影は、斜陽により長く伸ばされていない。
あくまで短く、黒々として濃い色をしている。
さながら盛夏の真昼の様な、実に濃い影である。
何故か暑さは感じないのだが。
今の俺の視界には限りがあって、太陽を目視するに至らず。
しかし、あくまで陽は高くにあって、燦々と地を照らしている。
その筈である。
目前の短く濃い影がそれを示している。
今は、きっと真昼。
色の奪われしは陽のせいではない。
では、一体何のせいなのか。