さて、これで「インドを観る編」、ラストです。
最後を飾るのはこの映画をおいて他にありません。
2009年公開 「きっと、うまくいく」です。
自分はそれほど沢山の映画を見ているわけではないので、その程度の人間
の感想として聞いてほしいのですが、個人的には、これほどの映画は十年に
一本しか出会えない、と思っています。 (この前の十年に一本は「キサラギ」
ですね、自分の中では) この映画はインド映画歴代興行収入1位を記録し
他、インド・アカデミー賞の作品賞をはじめ史上最多16部門を受賞、
スピルバーグがリメイク件を獲得したことでも知られています。
難関試験をパスしてインド最高の工科大学に入学したファランはランチョー、
ラージューと寮で同室になる。 何事にも型破りなランチョーは学内に混乱を
巻き起こし、学長や教授たちと衝突するのだが、成績は常に首席だった。 ラ
ンチョーのペースに巻き込まれ、三人は何度も退学の危機に陥りながらも何
とか卒業を果たすが、卒業式を最後にランチョーは行方が分からなくなる。
十年後、ランチョーを恨む優等生のチャトルから、ランチョーの情報がもた
らされる。 早速、ランチョーを探しに出発するファランとラージューだった
が、その旅の途中で次第にランチョーの秘密が明らかとなる・・・。
グローバリゼーションの波に飲み込まれて激動するインド。 その影響を最
も大きく受けながら必死にもがいているのは、これから社会に出ようとする
若者たちです。 自分は何者なのか、自分の進む道は正しいのか、湧き上がる
不安や疑問と必死に闘いながら、親や教師が指し示す道を遮二無二に進む
彼ら。そこに待っているのは気を抜けば落ちこぼれる恐怖と残酷で果てしな
い競争でした。
ランチョーは学長を前にこんな台詞を口にします。
「インドの学生の自殺率は世界一です」
しかし、私たちがもっと別の考え方をすることができれば、と話は進みます。
そこは映画の話ですから、これを見て、お気楽な世界観だという感想を持
つ人もいるかもしれません。 しかし、インドから届けられたこの映画を見て心
に感じるものは少なくないはずです。 この映画は私たちに生きることの意味
を問い掛けてきます。 そして、悩み苦しむ人に対しては、
「きっと、うまくいく」 と声高らかに叫ぶ人生賛歌なのです。
さて、ここまで「ボンベイ」を除いては比較的、最近の映画をご紹介して
みましたが、如何でしたでしょうか。 勿論、これ以外にも見るべき映画は沢山
ありますので、是非、ここからは読者の皆様ご自身で新しいインドの姿を確
かめていただきたいと思います。 私の記事が、その一助となれば、これほど
嬉しいことはありません。
(予告編をご紹介しますが、この予告編は映画の内容を正しく伝えていないような・・)