アングローニャの谷へ | アルプスの谷 1641

アルプスの谷 1641

1641年、マレドという街で何が起こり、その事件に関係した人々が、その後、どのような運命を辿ったのか。-その記録



Virginia Astley - Tender (Extended) 
 

 さて、トーレ・ペリーチェの街を一日探索した翌日は、雲一つ無い青空が
 
広がっています
。 となれば、勿論

 
 
 遠足です! でかけましょう、アングローニャの谷へ。
 
 
 トーレ・ペリーチェから出発して、点在する教会やヴァルド派の史跡を巡
 
りながら、徒歩でアングローニャの谷をほぼ一周。
 
 ぶっ通しで六時間、歩きます。
 
 とにかく不思議な程に人の姿が無く、六時間、歩いても地元の人、数人と
 
しか擦れ違わなかったような気がします。(舗装道路を歩くので、時々、車
 
は通ります) 途中、お店を見つけたらランチでも食べようと思っていたので
 
すが、そんなものあるわけありません。
 
 さすがにちょっと寂しかったですが、景色そのものは、とにかく清冽と言
 
いましょうか、川の流れに沿って歩いていると、疲れなど忘れて平和な気持
 
に満たされます。こう言っては何ですが、何か超自然的なものに触れたよう
 
な気さえしました。普段、山歩きなどすることも無い人間なのですが、いか
 
に水のせせらぎを聞きながら歩くことが癒しになるか、改めて考えさせられ
 
ました。
 
 この景色がいつまでも受け継がれることを願ってやみません。
 



教会らしからぬ感じですが、ヴァルドの教会です。 




こちらはカトリック教会。さきほどのヴァルドの教会のすぐ近くにあります。

対抗して建てられていることが分かりますね。






あ! うさぎだ!







Guieiza d’la Tana

今となっては、岩に囲まれた空間にしか見えませんが、

かつてヴァルドの人々が迫害を逃れて身を隠したり、自分たちのやり方で

秘密に祈りを捧げた場所です。こんな所で・・とちっょと驚き。




一部屋だけの小さな古い建物ですが、ヴァルドの子供たちが通った学校です。

今はミュージアムとなっています。

誰もいないので、どきどきしながら勝手に中に入ります (入場無料)。





シャンフォランの碑 (Chanforan)

1532年、この場所で集会が開かれ、ヴァルドがプロテスタントと合同することが決まりました。

また、ジャン・カルヴァンの従兄弟オリヴェタンによる最初の聖書のフランス語の完訳が作られる

ことになったとあります。

かくも重要な石碑ですが、農家の裏庭みたいな所にぽつんとあったので、びっくりしました。


こちらもウァルドの教会です。

この教会の前に、ヴァルドの女性たちに関するミュージアムがあります。

こちらも誰もいないので、おそるおそる中に入ります(入場無料)。

 

前の学校のミュージアムもそうですが、誰がはいってくるのか分らないのに、

部屋の鍵を開けて解放している所がすごいと思いました。 訪れる人も殆どいないはずなのに、

きれいに掃除して整えられているのも驚きです。 ヴァルドの人々の誠実さを感じます。




ミュージアムの中。壁の絵が・・・





川に出ます。




ああ、面白かった。

名残り惜しいけれどもトーレ・ペリーチェに戻る時がきました。

川に沿って伸びる道、せせらぎの音を聞きながら、ひとり歩きます。

考えようによっては、これほどの贅沢はないかも。


(参考のために地図をのせました。 拡大してご覧ください)