刹那に恋は焦げて 盲目 闇に堕ちる
施錠の音が鳴り響いた
二年目の夏の夜 想いを届けました
掠れた文字 鮮やかな君へ
繰り返す駆け引き ノートに先駆けて書いた
望みを傾げる 君の首筋の朱
どんなに一途な想いを書き殴っても
君を包む 団欒の愛は 越えられないの
それでも 別れの春が影を伸ばすから
一ミリでもいい 傍に行きたい
足許でいいの
回路は黒味を増し 手首に刃立てる
隠した 裏 気付いて欲しい
重ねる度 葛藤の悪夢が夜を濁して
さよなら 呟いた 一人きりの片隅
ロマンティックな恋とか美しい愛情とか
綺麗だよね 僕の心には 届く筈もなくて
時間が解決するよと簡単に片す
最期の夜にする勇気も力も何もない
優しげな女神が月の模様に微笑んだ
手を引いて頂戴 背中 押して頂戴
冷たくあしらう態度にも慣れた頃
指先が奏でる旋律は氷の様に
それでも別れの春が影を伸ばすから
一ミリでもいい 傍に行きたい
足許でいいの
