オレは、今でも思う。
本当にこれで良かったのか。
オレが選んだ道は、
本当に正しかったのか、と。
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オレは、聖川と付き合ってる。
早乙女学園あいつと再開した時は、
家の事もあり、何かとあいつに
突っかかっていた。
でもいつしか、
あいつを好きになっていた。
思いきって告白して、
聖川はオレの気持ちを受け入れてくれた。
幸せだった。
オレは小さい頃から独りぼっちで、
初めて人の温もりを感じられた。
ずっと、この幸せが
続くと思っていた。
だけど…。
「聖川、今日も家に行くのか?」
「…ああ。」
「何時に帰ってくるんだ?」
「わからない。」
「…そうかい。」
早乙女学園を卒業してから、
2人で暮らし始めた。
その頃から、聖川は
家の仕事もこなすようになり、
2人でいる時間は確実に減っていた。
さらに最近は、
疲れているのか、聖川は
余りオレと会話をしない。
話しかけても、短い返事ばかりで
会話が続かない。
本当はもっと話をしたい。
触れあいたい。
だけど、聖川の負担には
なりたくないから。
「行ってらっしゃい」
「…」
バタン
あーあ。
いっちゃった。
独りになった部屋で天井を見上げる。
静かだな…。
「買い物でも…行くかな…」
独りで部屋にいるのが嫌で、
オレは出掛けた。
今思えば、これが間違いだったのかも。
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「ピンとくるものがないな…」
オレは、特にお目当ての物が
あるわけでもなく、
ブラブラと町の中を歩いていた。
人混みにいると、
気が紛れるな…
人の話声や足音、
電光掲示板の音に身をゆだねて
寂しさを忘れようとした。
「………え………?」
いや、そんなはずはない…
違う……あいつじゃない……
視界でとらえたその人に、
よく似た人をオレは知っていた。
違うあれは、
似ているんじゃない…
あれは……
「ひ…じり……かわ……?」
オレの最愛の人。
今は自分の実家にいるはずの
その人が今目の前にいる。
「ねぇ、聖川様♪
次はどこにいきましょうか♪」
「少しは落ち着いたらどうだ。
さっきから歩きっぱなしだぞ。」
「だって、聖川様から誘って
くださるなんて、
めったにないんですもの♪」
おい……
誰だよ…そいつ………
見たこともない女が
聖川の腕にまとわりついている。
オレがしばらく見ていない、
聖川の笑顔が、女に向けられている。
「………っ!!」
オレは、
それ以上見ていられなくて、
逃げるように家に帰った。
現実を忘れたくて
必死に走った。
「っ…くそ……っ」
薄暗い部屋で、
冷たい床の上で、オレは泣いた。
オレは騙されていたのか?
オレを好きと言った、
あの言葉は嘘か?
オレに向けられていた笑顔は
偽物か?
聖川が憎い…
大嫌いだ…大嫌いだ…!!
心の中で、
何度も嫌いと叫んだ。
何度も何度も。
「なんっ…で…だよ…っ!!」
あんなやつ…
嫌い…大嫌いだ…っ!!
何度、嫌いと叫んでも、恨んでも、
聖川を嫌いになれない
それほどまでに、
聖川を好きになっていた、
自分が一番嫌いだ…
それから、
自分がどう過ごしたのか
覚えていない。
気づけば、聖川が帰ってくる時間。
こんな顔…
見せられない……。
聖川に会うのが嫌で、
オレはベットに潜り込んだ。
それとほぼ同時に、
玄関が開く音がした。
今日は…早いな…。
寝たふりをしながらも、
部屋の音に耳をすました。
その時、聖川が近づいてくる
気配がした。
必死に眠ったふりをした。
「……」
聖川は何をするわけでもなく、
オレの近くに座った。
「神宮寺……」
名前を呼ばれ
一瞬身を固くした。
聖川はオレ髪に触れ、
すぐに離れていった。
なんだよ…
なんだってんだ……
オレは、モヤモヤした
気持ちを抱えながら眠りに落ちた。