あの日から、
レンは家にいるようになった。
毎日、朝起きてから
夜寝るまで、レンといられるのが
幸せでたまらない。
ただ、
いつレンが出ていってしまうのか、
その不安が俺に付きまとった。
だから、俺は必死に笑った。
レンに寂しさを感じさせないように、
いつも楽しい気持ちでいられるように。
そんなのはきれいごと。
本当は、
真斗の事を思い出させないため、
俺の事しか考えられないようにするため。
全部、自分の為だ。
このまま、
レンを捕まえて、離したくない。
心の奥では、何度も何度も、
そう思っていた。
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ある日、
買い物から家に帰ると、
真斗がいた。
とうとうこの日が来てしまった。
俺の、夢の終わり。
真斗が迎えにきたら、
レンは必ず真斗の所に帰る。
それで、俺とはサヨナラだ…
あーあ、
こんなことなら、
一回くらい抱いとけばよかったな…
なんて、下らない事を考える。
馬鹿か、俺は。
そんなことをしても、
レンの気持ちは変わらない。
あいつは、
聖川が好きだから、俺の恋に
はじめから望みなんてない。
そんなこと、
分かりきってたはずなのに…
「くそ…っ…」
涙が溢れて、止まらなかった。
夢の終わりが、
こんなに辛いなんて、思いもしなかった。
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真斗とレンの話が終わる頃には
泣き止んでいた。
俺は、真斗に会った。
こいつとは、
一度話をしないとな。
公園で、
少し話をした。
正直、真斗の事は許せない。
レンをあんなに傷つけたんだから。
でも、
レンは、こいつを許してしまう。
あいつは、誰よりも優しい人間だから。
レンがこいつを許したら、
きっと俺も許す。
単純だなぁ俺って。
自分が思っていることを、
正直に伝えて、帰ろうとした時。
「お前は、辛くないのか?」
「俺様は王子だからな!!
好きなやつの幸せを
願えなくてどうする!!」
間違いなく本心だ。
俺は、いつでもレンの
幸せを願ってきた。
レンが幸せならそれでいいと、
いつも思っていた。
部屋に帰って、
誰もいない部屋を見渡した。
見慣れた部屋のはずなのに、
全然違う部屋にきたみたいだ。
テーブルの上に、置き手紙を見つけた。
オチビちゃんへ
ありがとう。
行ってきます。
馬鹿か…
帰って来る気もないくせに…
俺は、いつでも
レンの幸せを祈ってる…
でも今は、
少しだけ欲が出てしまった…
「俺様が…っ……、
幸せに……したかったなぁ……っ」
もう戻っては来ない
あの幸せな夢は
もう見れない