布団のなかで特攻隊

本来聖域で不可侵なはずの布団のなかが賑わってる。

明日は朝から出張だのに寝かす気ねーべ。

股関節をあちらこちらに引き延ばし、
指圧が必要なこの部分には全力のマッサージ。

どーも、体がムジムジしてる。

伸ばせー伸ばせとわめいてる。

動いてんのにもっとかや?
動いてるからもっとかや?

立ち上がって布団から出ると、足元に水が浸されてるように重い。

横になった瞬間に、
伸ばせやー伸ばせやーとぐずるもんだから、あたいだってぐずりてぇや。

あんたほんとは眠いの!ねさして!


お布団に満ちる気が「動け伸ばせ」なばっかりに、今夜もまたケミカルな反則技に頼るしかない。
岩手っ子からすると東京なんてテレビの世界よ。

どこからも山が見えない、人が多い等々、とにかく苦手意識しかない。

しかし仕事なら仕方ない。




いやはや、来れば来るほどに苦手になるわ。

こんなに袖触れ合うことあったら、他人なんてどうでもよくなりそう。

というより、どうでもよくしないと精神持たなそう。

ぶつかって謝るのは、地方出身者の特徴かね。


あー、早く岩手に帰りたい。

太陽の回りに虹が出てる。

とても綺麗だけど天気が崩れるサイン。

実家でのんびりしてたけど、早くマンションに帰ろう。

旅の終わり。

「家についたよ」
「こちらもついたよ」

これにて完。