原宿駅前にあるビンテージマンション『コープオリンピア』

 

1964年の東京オリンピックにあわせて建てられた築60年になろうかというマンションだが、今でも人気が高く、金を積んでも手に入らないと言われている。表参道に面した1階にzoffと南国酒家が入っているといえば「ああ、あれか」と思う方もいらっしゃるだろう。

 

2021年の東京オリンピックでは晴海フラッグが話題となったが、建築的には面白味に欠ける普通のタワー豆腐だ。が、こちらは違う。

 

表参道に面した各住戸の窓は表参道に対して斜めに振っており、上から見れば三角波状に配置されている。この窓の配置によって、人通りの絶えない表参道側から室内は見えにくく、視界は明治神宮の森の方向に開けている。通りの反対側の歩道や原宿駅前の歩道橋からは、窓は正面となって室内が見えるが、渋谷寄り側の歩道を歩いていると、窓にすら気づかない。手持ちの写真がないので、言葉だけの説明になってしまったが、ググって頂ければすぐに適当な画像が表示されると思う。

 

特定方向の視界を確保し、それ以外の方向からはプライバシーを確保する方法としてこのやり方は効果的だ。

 

 

  ペブル・バロウのコープオリンピア風住居

 

そこで、ペブル・バロウに両隣の区画からは室内が見えず、恐竜の方向にだけ視界がひらけている三角波状の窓と壁を持つ家を建ててみた。

 

上のスクショでは分かりにくい。恐竜の方向から見てみると、全面ガラス張りのように見える。

 

が、お隣のヌークストーン側から見ると、室内の様子は全く窺えない。

 

反対側のアガペ・アボーデから見ても同様だ。

 

 

「これはいける」となれば直ちに量産に走る。

 

 

  ファウンドリーコーブの住居群

 

Willow Creekのストリームレット・シングルは目の前に釣り場がある。隣のバーゲンベンドに敷地一杯の2階建公共区画(バー兼ジム兼プール)を建てたこともあり、釣り人、バーゲンベンド、クリックカバーナからは室内が見えないが、窓の多い住居を建ててみた。

 

お隣のクリック・カバーナも同様に窓を45度振った。両方の家で45度振れば、プライバシー確保は完璧のはずだ。

 

右上のガーデンエッセンスは別記事で紹介した柱で2階に持ち上げた6ユニット賃貸住居。中央左のデイジーホブルは、スパ兼住居の4ユニット賃貸住宅で1階はスパ、2階の窓はカーテンを多用。区画に出現するNPCが家のすぐ側を通るファウンドリーコーブでも、プライバシー確保は完璧と自画自賛。

 

 

  オチ:シムには窓や扉の向き、カーテンの有無は全く関係ない

 

ところが、シムが室内を裸でウロウロしている時に家のすぐ前を子供が歩いていると、たまに「恥ずかしい+1」のバフが付く。付かないこともあるので詳細は謎だが、シムにとっては窓も壁も向きや視界について一切考慮せず、シム同士の距離だけで判定しているように見える。

 

吹き抜けの作り方を間違えて部屋オブジェクトを壊してしまった場合、屋根オブジェクトの直下で部屋がない場合、などシムが屋外にいる扱いとなることがある。ひょっとすると窓の向きよりもこちらの方が関係しているのかもしれない。

 

Sims4Studioで窓や扉オブジェクトを覗いて見ても、窓の向きや視界に関するチューニングやタグが付いている訳ではない。オブジェクトの透明度(透過と反射)の情報は、テクスチャが持っているが、これはレンダー(描画処理)だけが知っていれば良い。

 

IsLand Livingで追加された窓に、Outside Zinside Windowというのがある。これはガラスも何もない枠だけの窓だが、"森の友達全員"(虫)が自由に出入りできるtooltipタグが付いている。こういう特別な設定をしない限り、家の中と外とは厳格に区別されている。

 

ということで、建築がシムに与える影響は距離、環境値、一部オブジェクトの持つ感情値、シムの持つ色の好き嫌い、位で、視覚的要素は関係なさそうだ。「ガラスのドアだと丸見えだから、木の扉にしよう」などと言っているのはプレイヤーだけ、ということだ。

 

が、視覚的には十分楽しい。プレイヤーの自己満足だけと解っていても、三角波状の壁と窓は、最近のお気に入りスタイルの一つだ。あちこちでこのスタイルを使っている。

 

(続く)