イタリアの刑務所について書くにあたり、
日本の刑務所がどうなってるのか
ウィキ勉しただけですが、
ずいぶん違うなーと思ったので、書いておきますね。
まず、イタリアでは大問題の過剰収容
イタリアの刑務所は定員オーバーが常態化していて、
収容率の平均が130%。
都市部の酷いところでは200%越えしてるところもあるそう。
日本は2000年代前半に平均収容率117%に達したことで、
施設の増改築や新設が進められたし、
受刑者が減ってることもあって、
近年は50%台になってるとのこと。
収容定員数・受刑者数・収容率
伊: 51165 ・ 62427・130%
日: 68297 ・ 36296・ 53%
上のデータはイタリアが2023年、日本が2022年と、
同年のものではありませんが、
まぁコロナ年を除く近年はこんな感じです。
上の数字から、次に着目したいのは受刑者数
イタリアの人口は日本の半分なのに、
受刑者数は2倍
ということは、雑な計算ですが、一人あたりにすると、
イタリアって日本の4倍受刑者がいるということ。
それだけ犯罪が多いってこと
とまず思ったけど、そういえば、以前書きましたが、
イタリアってお巡りさんの数もすごく多いんでした。
人口は半分なのに、お巡りさんは日本並みにいるんでした。
世の中にはお巡りさんの目に触れない犯罪も横行してるわけですから、
お巡りさんが多い分、犯罪が犯罪になりやすくて、捕まる人も多いのかも。
ということで、どっちの方が身近で犯罪が起こりやすいのか?
受刑者の数では一概に言えないので、
2023年の殺人事件数を比べてみたら
イタリア:334件
日本 :912件
と、なんと日本の方が殺人事件がずいぶん多い。
イタリア人って情熱的な人が多いから、殺人事件も起きやすいのかと
思っていたから、とっても意外でした。
イタリアは何と言ってもマフィアの国だし、
都市部ではスリやひったくりの被害をよく聞きますし、
窃盗も多いし、
毎日のように薬物の売人が検挙されたってニュースを聞くし、
日本よりよっぽど危ない国というイメージがあります。
一方、日本は
バックを置いて席取りできたり、
落とした財布は戻ってきたり、
電車の中で熟睡しちゃっても大丈夫な
安心安全な国のイメージが先行してるけど、
実はそうでもないという…。
私、大沢在昌の新宿鮫シリーズとか大好きなので、
日本の闇は深いなーとずっと思ってきましたが、
最近はその闇がより表面に出てきた感じですよね。
と、中の話じゃなくて、外の話に膨らんでしまいましたので、
中の話に戻ると、
イタリアは収容者の若年層の増加が課題ですが、
日本は収容者の高齢化が問題なのだとか。
イタリアでは薬物売人の若年化や、
拳銃が闇市場で200~300€で手に入るようになってることで、
若者による殺人事件も増えているし、
劣悪な環境に置かれた20歳前後の移民の犯行などもあるからだと思うのですが、
日本では近年65歳以上の高齢者の犯罪が急上昇してるそうで、
その犯罪のほとんどは窃盗や万引きなのだそう
検挙された男性高齢者の四割、女性高齢者は七割が万引き。
少なすぎる国民年金では家賃を払いながらの生活は困難なため、
1日3食が保証される刑務所に駆け込んでしまうケースがあり、
刑務所が福祉施設的になってると指摘されていた。
それから、
両国間で大きく違うところといえば、
日本では男性が丸刈りが強制されてるってこと。
そして、
長くなったので、一言でまとめると
日本の刑務所は整然
イタリアのはカオス。
と
中も外も変わらないようなまとめになってしまいました…。
イタリアのクリスマスシーズン
パネットーネのCMでは
「A Natale a Natala sì può fare di più~♬」
と歌っています。
(クリスマスだからいつもと違う何かができる)
という意味合いです。
クリスマスだからこそ、
中にいる人を中に追い込んだ社会の実情に目を向けて考えたいものです。
いちおう写真も載せておきましょう。
2千年前牢屋として使われていたとの謂れもある
ディオニシウスの耳と呼ばれる石切り場跡