土井善晴 著
グラフィック社・1500円(+税)
2016年10月25日発行
◎素材を生かすには、シンプルに
料理することがいちばんです。
シンプルに料理といえば
野菜でも肉でも、まるごと焼きや
まるごと蒸し、まるごと茹で、
まるごと揚げが好き。
にんじん、長芋、さつまいも、じゃがいも、
ピーマン、にんにく、大根、かぼちゃに白菜、
鶏肉、豚肉、魚各種その他諸々。
調味料や添えもシンプル。
塩だけ、醤油だけ、お味噌だけ、
ポン酢だけ、塩昆布だけ、
(かぼすや柚子やすだちの)果汁だけ。
◎SNSの投稿などを見ていると、
一汁二菜をお膳に正しく並べた画像に
「今日は手抜きしちゃった」と
言葉を添えてつぶやいています。
和食は簡単、
普段はもう少し手を掛けていると、
少し自慢もしているのでしょうか。
そんなつもりはなくても、手の掛からない、
単純なものを下に見る風潮が
お料理する人自身のハードルを上げ、
苦しめることになっているのです。
手抜きといえば、
母がひとり暮らしをしていたころ
「最近は毎日、手抜きしとるよ」と言っていた。
「あれもこれも一緒に蒸すだけ」と。
そして、そんな料理を食べている母は
とても楽しそうだった。
手抜きというより合理的。
それがおいしくてヘルシーなら
何も言うことない。
◎仕事場と住居が一緒にある我が家では、
撮影など、仕事で作った料理がたくさんあります。
でも、仕事でできた料理は、撮影が終わってから
スタッフで食べたり、お客様にすべて
持って帰ってもらいます。
そういったご馳走を一皿に盛り合わせて、
帰宅した子どものために取り置いて、
食べさせることを妻は一切しませんでした。
(中略)
でも妻は、子どもが帰ってきて、
「ただいま」の声を聞いてから
作り上げるのです。
母が子に作る料理への思いはそれぞれだが、
料理を作る過程を、音や匂いなどの
五感で伝えたいという思い。
しかもそれを貫き通すとは、
なんて素敵な思いを料理にこめていたんだろう。
上記の引用の続き
◎それに対して
“妻のしていたことの意味に気づくのが遅すぎました。
妻には感謝しています”
奥様が素敵だと
ご主人も素晴らしい。
「気づいて感謝する」
文字にするとたったこれだけなのに
なんと潔くて温かい言葉なんだろう。
◎人間の暮らしでいちばん大切なことは、
「一生懸命生活すること」です。
料理の上手・下手、器用・不器用、
要領の良さでも悪さでもないと思います。
一生懸命したことは、いちばん純粋なことです。
そーそー。
それにあんな人もこんな人もみ~んな書いてた
言葉を思い出した。
(みんなって、二人だけど)
「丁寧に生きる」
「心をこめて生きる」
「祈るように生きる」のが大切だと。
和食のおいしさについて
◎アクを除くことで、ときに味も
栄養価値も失うことになるのですが、
完全ではないにしろ、
無味化することを喜ぶのです。
なんとなくわかる。
敢えて無味化して個性を控えめにさせ、
他の素材との味や
食感のバランスをとりたいときもある。
あと、これは意味が違うだろうけど
持病によっては、素材の持つ栄養価値以前に
減らさなきゃならない成分もある。
だから仕方なく水にさらしたり、
茹でたりして
栄養素を減らすこともある。
◎私たちからすれば、
貝の殻は食べカスであり、
ゴミとして捨てられますが、
昔の人にとって貝塚は送り場であり、
恵みを与えてくれた魂を葬るところとなります。
花壇のような小さな畑で
土の処理をしていたとき、
ふと、このくだりを思い出した。
となると、
堆肥をつくるためのコンポストは、
野菜の魂を葬るところか~
だとしたら、一握りの土も愛おしい…
と思い、手を伸ばしたら
大きなクモがいたーーーーーー!
その瞬間、コンポストを蹴飛ばして
フタを放り投げたし。
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大根を作りすぎたので、食べまくりの、干しまくり。
今日も明日もあさっても
大根、大根、大根~