きょうの本題に入る前に、前回記事の相場見通しを上方修正し、
『買いシグナル点灯』とします。
但し、まだリスクは高いです。
ちょっとした「金融危機」が起こる可能性がありますが、それでも…
「最悪期」は過ぎたと判断します。
決め手は、中国のコロナ感染が早くもピークアウトしていること。
日本でも、終息モードに入っています。
国内は、「値上げラッシュ」ですが、
これは「企業が強気」、「値上げに耐えられる」ということでもあります。
(CPIが下降に転じたときには、異変が起きないか要注意)
外国の楽観的な景況感ですが、
どうも実体経済がコロナ禍から回復しつつあることが要因のようです。
「病み上がり」なので、
上値は抑えられてしまいますが、それでも「下がり過ぎ」の修正が期待されます。
「円高トレンド」ですが、いまはマネタリーベース比に連動しており、したがって、
この130円前後をキープする可能性があり、そうすると「円安メリット」が継続します。
※直近の米国のマネタリーベースをみたら、5.4兆ドルとありました。
これで計算すると、日本のベースマネーを630兆円とした場合…
117円/1ドルになります。思ったよりも米国の分が減っていました。
日米金利差が開く分、ドル高に傾きますが、ゼロ金利を脱している今、
これくらいまで円高になってくる可能性があるということです。
とはいえ、市場の気まぐれ度合いからして、
インフレ継続⇒日米金利差拡大の方を材料視してくれば、
やはり、「円安」キープの可能性が残ります。
こうなってくると、ショート(売り持ち)している投資家には厳しいでしょう。
イメージとしては、去年のドル円のドル高への転換を描いています。
それでは、きょうの本題。
現在のインフレも、そのインフレの長期化も日銀のせいではない。
また、そのような外的要因による経済変動について、
中央銀行は何ら予測責任をもってなどいない。
石原順は相変わらず的外れな日銀批判をやっている。
けさの読売紙面でも、きょうは伊藤元重が、御託を並べている。
すでに、インフレのせいで金利が上昇してしまって「ゼロ金利」ではない。
日銀は、すでにその状況に対応して、マネタリーベースの伸びを落としてきている。
しかし、日本経済は「正常化」しているわけではなく、
…であるならば金利だって「正常化」などできないのである。
それでも「アベノミクス前」よりは「正常化」した。
それと、低金利に馴れた経済に対し、「金利正常化」などすれば、
それこそ「バブル崩壊」の二の舞となる。
だから、黒田氏は「利上げ」ではなく、攻防ラインの後退で応じた。
これをちゃんと評価できないようなザコブタが、
経済の専門家ズラして紙面に出てくるのは大間違いだ。
米英の乱暴な政治によって、
そして彼ら野蛮国家群に与する下等生物どもによって
「インフレの長期化」は起こっているのだ。
そこの国民にとって「インフレ苦」は、むしろ「自業自得」ともいえる。
そうした外国の迷惑行為にもかかわらず、
想定外の事態に対し、日銀は最善の努力を尽くしてきた。
だから、感謝こそされても、文句を言われる筋合いにはないのだ。
そもそも金融政策だけで日本の経済は正常化しない。
あべや岸田の経済政策が不十分、
もしくは間違っているから「正常化」しないのである。
石原順レベルのバカが、少しでもマスコミから淘汰されることを祈って、
きょうはすこしテキストを読んでいこう。
少々、ブログ用に編集して書いていく…
>「流動性の罠」を突破するべく、大規模財政出動と金融政策を組み合わせれば、
「インフレを引き起こす」という目的だけは多分、達成できるでしょう。
大規模財政出動・減税←国債大量発行←日銀が、その国債を買い取る…
(「←」は、カネの流れを示す)
( °ー°)通常、民間や外国人がカネを出して国債を引き受けるところ、日銀がそれをやる。
…これはつまり、日銀が紙幣を発行して、国債を仲立ちにしているとはいえ、
政府にカネを「タダで」供給しているようなものである。(一応、「借金」だが)
>こういうのを「財政ファイナンス」、「ヘリコプター・マネー」と言いますが、
これでは物価が上がっても「経済がよくなる」わけではありません。
(--)b 経済がよくなるためには、
「おカネの創出」ではなく、「財やサービスの創出」が必要。
そして、それらには「人間の労働」の「裏付け」がある。
※この考え方を「労働価値説」というが、実際の経済では価格は需給で決まる。
単に市場に任せるだけでは、「労働価値」は「価格」には反映されない。
この矛盾をマルクス経済学は「搾取」と呼ぶが、市場で交換が成立している場合、
「合意」の上での「等価交換」とみなされる。つまり、「搾取はない」ことになる。
価格理論だけでは、「労働価値」や「搾取」を可視化することはできない。
>中央銀行がファイナンスをつけようがつけまいが、借金が増えることに変わりがありません。
すでに、累積赤字も巨額になっているいま、これを続けていけばいずれ…
国債暴落とまではいかなくとも、長期金利(主に10年債)が上昇するでしょう。
そうすると、家計も企業も低金利を前提にしているために、
大きな痛みを受けることになります。
【要点】財政ファイナンスは、いずれ長期金利を上昇させる
(--)b だ~から、大きなローンを組んで
家を買うなどしていれば「詰んでしまう」のだと、再三、警告してきた。
>そこで、日銀が大量に買い支えればよいではないかと言われるのですが、
それをやると「円安誘導策」とIMFなどからみなされます。
輸出を拡大してデフレを克服し、デフレギャップも埋められるでしょうが、
円安は、コストプッシュ型のインフレを招くので、海外情勢にも影響されます。
(--)石原順ごときが言ってることは「百も承知」の上で日銀はやっている。
そして、輸出だが貿易紛争や新興国の追い上げがあって、簡単ではない。
それよりも、貿易統計を見れば明らかだが…
石炭を買っているオーストラリアと、石油を買っている中東諸国との「貿易不均衡」が大きい。
オーストラリアと中東諸国に、もっと輸出する必要があるのだ。
あるいは…国内で安く調達できるようにする…といいのだが…
しかし、日本と中国には「石油だけはない」のである。
そこで、原発を回せば貿易赤字が減らせると、原発推進論が出てくるのである。
中東に武器を大量に売ることができればなあ…
欧米諸国は、実際、そうやって辻褄を合わせている。
とはいえ、それは同時に地域紛争の要因のひとつにもなっているから頭が痛い。
さて、その「円安誘導策」も実は困難があるという。
>ゼロ金利制約のなかった1990年代には、ドル円の為替比率は、
日米のベースマネーの差に、ほぼ連動していました。(現在も、ちょうどぴったり!!)
これは、「ソロス・チャート」の名称で、よく知られています。
しかし、ゼロ金利制約に直面し、量的緩和を始めてからは連動していません。
(--)b それで「購買力平価」などが参照されるようになった。
さて、アベノミクス当時のデフレギャップは「3%」と計算されていたのだが、
このギャップが、ただ単に需要が減ったというだけで生じているのか、
それとも、需要構造と供給構造に深刻な齟齬があって生じているのかが大事である。
>ラジャンなどが言っていますが、大きな金融危機の後などでは、
需給構造と供給構造の二つの間には大きな齟齬が生じているものです。
そのずれを修正する必要があるので、経済の回復も遅れるのです。
また、医療や介護が成長産業だと言う人がいますが、
圧倒的な国家統制のもとでは新規参入からして簡単ではありません。
(--)b どんどん法律が厳しくなって、国民は「安心」かもしれないが、
経済成長や画期的なイノベーションは期待できない…というわけだ。
このことは、当ブログでも言ってきた。
もう、す~ぐクレームがくるからね~。
また、一度来ると「被害者の特権」で弱小企業に「勝ち目」はない。
「弱者や被害者にやさしい法律」と運動家は言うが、それは結局弱小企業には厳しい法律」となる。
つまり、それこそ「弱者に厳しい法律」作りになっているのである。
そうして、大手だけが生き残り、独占になる。
大手がワガママし放題になったとき、消費者側には対抗手段は、もはやない。
つまり、現在の日本経済の現状は、そうやって作られてきたのである。
【オマケ】これまでの復習
日銀の金融政策は、GDPギャップをゼロにすることが目的である。
予想インフレ率-インフレ率(名目賃金上昇率)=γ(失業率-自然失業率)
(インフレ率が予想インフレ率に一致するとき、雇用は最大化する)
=賃金上昇率が予想インフレ率に一致するとき、雇用は最大化されているはずである。
中央銀行は、この数式を念頭に金融政策を行っている。
奇しくも、一致以降、米国ではリストラが加速している。
但し、上の式は「価格」だけで考えている。
生産量や販売量の推移を勘案して初めて実体経済を把握することができるようになる。