パトリックレヒナーソロピアノリサイタル リスト「ウィーンの夜会」とショパン「英雄」 | 上海鑑賞日記(主にクラシック)

上海鑑賞日記(主にクラシック)

上海生活の合間に聴いた音楽や見たスポーツなどの記録を残します。

日時:2022年2月20日(日)14:00~

会場:上海東方芸術中心コンサートホール

ピアノ;パトリックレヒナー(Patrick Lechner)

曲目:

ショパン:アンダンテスピアナート

ショパン:ポロネーズ第6番変イ長調 「英雄」作品53

モーツァルト:リスト編曲「アヴェ・ヴェルム・コルプス」

ショパン:ワルツ 第19番 イ短調 遺作

ショパン:ワルツ 変イ長調 作品42

ショパン:3つの華麗なる円舞曲第2番 変イ長調 

リスト:パラフレーズ『ウィーンの夜会(シューベルトの「ワルツ・カプリス」)』

リスト:超絶技巧練習曲第8番 ワイルドハント(狩り)

ラフマニノフ:エチュード「音の絵」第9番 Op.39―9 

ショパン:リスト編曲「6つのポーランドの歌」より我が喜び

リスト:巡礼の年 第2年への追加「ヴェネツィアとナポリ」

 

 

感想:この日は久しぶりにピアノのソロのコンサート、と言うかコンサート自体が久しぶりである。

春節つまり中国の旧正月を挟んでなかなかコンサートに行けなかったのと、私の体調の方もいまいちパッとしない上にあまり聞きたいと思える良いコンサートもなかったので、一か月ほど時間が空いて開いてしまった。

 

さてこの日はオーストリア人ピアニストの演奏。

コロナ禍においてなかなか外国人の演奏を聞けるのは珍しいことである。

さてこのオーストリア人ピアニストは非常に端正な演奏を聴かせるピアニストである。

曲数が多いので一曲一曲の評価は省くが全体として教科書通りという印象で言葉としてあまり褒めてないかもしれないが悪くない演奏ではあった。

煌びやかさや華やかさはないのだが淡々とした非常に端正な音色を奏でてくれる。

 ただ逆に教科書的すぎるというか音が非常に真面目すぎる印象で、遊びという面での 余裕はないような印象を感じた。

それ故なのか時々ミスタッチをしているような部分もあった。

 

まあこの端正な弾きっぷりは安心して心地よく聴けるのだが、その分だけ BGM 的な伝わり方になってしまい、感動を呼び起こすような躍動感にはちょっと欠けた。

 

 またこの日の聴衆は日曜日の午後ということもあって、子供連れの親子が非常に多く全体の鑑賞姿勢はあまり落ち着きがないような雰囲気もあったので、演奏家の方が神経質になっているところもあった。

 

特に一曲目の終了直後にゾロゾロと遅れてきた聴衆が入場してきたので、ピアニストが落ち着くまで演奏を始められない状況もあった。

こちらの聴衆は演奏が始まった後でも平気で、人の前を横切って席に着こうとする。

まあ私はこの状況にかなり慣れてしまったが、本来なら大きなマナー違反であり、遅れての入場は控えるべきだろうし、曲間での移動は最小限にして空いている席へとりあえず座るべきなのである。

まあマナーの問題は鑑賞文化が何世代に渡って浸透しないと難しい問題なのであるが、やはり子供を連れてくる時点で間違っているような気がする。

今日のような端正な演奏の場合は特に恋もしたことのないような子供に理解させることは難しい気がする。

曲間の余韻を楽しめるようになるにはある程度の年齢の積み重ねが必要であろう。

そんなことを感じたこの日の演奏会だった。

なおアンコールとしてトルコ行進曲をアレンジした曲が演奏されそれなりに楽しめた。