ダニエル・ハーディング指揮 マーラー室内管弦楽団 | 上海鑑賞日記(主にクラシック)

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上海生活の合間に聴いた音楽や見たスポーツなどの記録を残します。

日時:2019年3月15日20時~

会場:上海交響楽団音楽庁コンサートホール

指揮:ダニエル・ハーディング

演奏:マーラー室内管弦楽団

曲目:

シューベルト:交響曲第3番ニ長調D.200

ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調 「ロマンティック」

 

 

感想

ドイツに本拠を置くマーラー室内管弦楽団とイギリス人指揮者ダニエル・ハーディング氏の組み合わせ。

 マーラーの名を冠しているが、特にレパートリーをマーラーに特化しているわけではなく、5年前に亡くなったクラウディオ・アバド氏が始めたオーケストラで、普通の小規模二管編成オーケストラである。

 ダニエル氏は日本には何度も客演で呼ばれているようだが、私より年下の世代であるので、実はこれまで機会が無く聴くのは初めてである。

 前半はシューベルトの交響曲3番。

 聴きなれている曲ではあるが、どうも曲の輪郭を微細に彫り込むというより、リズムを強く刻むような演奏でありやや大味な演奏の印象であるが、音はキラキラとして美しく響いていた。

 ただシューベルトの音楽の世界観の描き方がいまひとつで、楽譜に書かれた音楽を懸命に繋いでいることは分かるが、音楽として流れるような雰囲気は伝わってこない。

 後半のブルックナーについてもやや違和感のある演奏だった。

 まず、オーケストラが小ぶりな編成であるため仕方がないのかもしれないが、弦セクションがやや弱く、音の厚みという面で物足りず、そこへまともな音量で飛び込んでくるホルンはバランスを欠いていた。

 ブルックナーをやるには全体的に弦が弱いという印象は否めず、キラキラ感が物足りなないのである。

 故に演奏も金管とティンパニのドンシャリ気味になり、しかも長く冗長なえんそうになってしまいブルックナーの世界が創出されたとは言い難い演奏になってしまった。

 まあ長丁場の曲なので、フィナーレではやり切ったという雰囲気が漂っていたが、ブルックナーの演奏としては非常に面白みのない演奏に終わってしまった気がする。