先月22日のこと。KYOTO JAZZ SEXTETの12インチ、『UNITY』が発売された。
そして、奇しくも同日MONDO GROSSOの14年ぶりの新曲「ラビリンス」もリリース(写真のKJSはファースト・アルバム)。
今ではご存知ない方がいらっしゃるかもしれないが、僕は23歳から30歳まで大沢伸一率いるMONDO GROSSOのマネージャー兼共同プロデューサーであった。
ミュージシャンだった大沢君が今やDJとして不動の地位を確立し、DJだった僕がジャズ・バンドを結成するとは・・・。
そんな二人が何の申し合わせもなく、同じ日にアナログ盤を世に送り出した。
しかも、今月には1週違いでMONDO GROSSOもKYOTO JAZZ SEXTETもアルバムをリリース。
それだけではない、今年のFUJI ROCKは共にバンドで同日に出演!これを奇遇として何と言えば良いのか。
ちなみに、片や全編日本語で、本人曰く「ここまで日本語に向き合うのは最後だ」という新しく生まれ変わった最先端音楽。片やオール・アナログ・レコーディングで、直しの効かない昔ながらの一発録音を貫いたジャズ・アルバム。
かつて同じバンドに所属した(厳密には僕は外側にいたけれど一心同体という意味では間違いなく僕の精神はバンドに所属していた)、二人が両極とも言える音楽を同じタイミングで世に放つ。
さて、リスナー達はどういう反応を示すのだろうか?
ここで興味深い事実を一つ。
KYOTO JAZZ SEXTETの『UNITY』は大沢君がプロデュースするGINZA MUSIC BARの存在なくして完成することはなかった。彼が僕にDJをオファーしてくれたからこそ、僕はジャズの作曲に取り組むことが出来たのだ。
20ヶ月、8時間、僕はジャズをかけまくり、聴きまくった。その数、1500曲以上。意識的に、同時に無意識的に僕はそのコンポジションを吸収した筈。
つまり、大沢伸一は、MONDO GROSSOを制作しながら、KYOTO JAZZ SEXTETのオリジナル・アルバムの誕生のプロセスに深く関わっているのだ。
同日リリースに、同日ライブ。
偶然か?それとも必然か?
それはオーディエンスの判断に任せるとしよう。
僕達は互いを視野に入れながら、
時に交わりながら、
今も
時代を疾走している。