The Room、脱クラブ宣言! | 沖野修也オフィシャルブログ Powered by Ameba

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Kyoto Jazz Massive 沖野修也 Official Blog

僕がプロデュースする"クラブ"、
渋谷のThe Roomが、
今年、
20周年を迎えます。

20年と言えば、
成人ですよね。

子供が
大人として受け入れられる
年齢です。

それは、
大きな変化の年です。

The Roomも
この節目に
変わります。

何が変わるのか?
場所が変わる?
内装が変わる?
名前が変わる?

違います。

クラブである事を辞めます。

The Roomは、
クラブではなくなるのです。


丁度、
ビジネスや学業の
期の変わる
4/1から、
クラブではない
他の何かに変わるのです。

2012年3月31日までは、
東京を代表する老舗クラブでした。
東京で
最も古い(328じゃないんですかね)
クラブだとも
言われてきました。
でも、
本日、
2012年4月1日からは、
クラブというカテゴリーを
離脱します。


ところで、
クラブって何だと思います?

僕にとってのクラブは、
知らない曲でも
皆が盛り上がり、
DJが有名かどうかという事以前に、
本当に腕のいいDJが
素晴らしい選曲を
聴かせてくれる所なんです。

そして、
その音楽について
オーディエンスが語り合い、
酒を酌み交わし、
時に友情が生まれ、
時に仕事が発生し、
時に恋が芽生える・・・。

一人で遊びに行っても
すぐに他の人と
打ち解ける事ができるし、
友達と行っても、
友達が新しい友達と出会い、
帰る時には
誰と来たのか
判らなくなっていたりする・・・。

音楽家のみならず
クリエーターが集まり
その人脈が
新たな文化の源となる・・・。


僕は今も
クラブというものを愛しているし、
The Roomが
クラブである(あった)事に
誇りをもっています。

ただ、
僕が考えるクラブと
世の中で言われる所のクラブが
この20年で
乖離して来たのは事実です。

はっきり言って
それ、
クラブって名乗ってるけど
どうなの?
と思う事、多いですよ。

だって、
僕から言わせれば
クラブとは名乗っていても
大騒ぎするだけの
軟派箱や
音楽性を度外視して
有名人を
ブッキングしているだけの
貸し箱は
クラブでもなんでもない。

ここ数年は、
「えっ、クラブかぁ、若い子が行くとこでしょ」
とか
「クラブは音がうるさい所だから行きたくない」
なんて
風に敬遠される事も・・・。

僕は、
ブルガリのテラスや
恵比寿ガーデン・ホールでも
イベントをやっていますが、
それは、
クラブと聞いただけで
敬遠してしまう大人達に
クラブでプレイされる
素晴らしい音楽を聴いてもらうための
工夫でもあるんです。

もう一度言います。
僕はクラブを愛しているし、
The Roomが
クラブである(あった)事に
誇りをもっています。


でも、
僕が
どんなにクラブの素晴らしさを語っても、
クラブが持つイメージは
僕が予想もしなかった方向へ
拡大されて行きました。

クラブの定義を変える!
という事も考えましたよ。
でも、
僕の考えを他人に強要するよりも、
クラブというカテゴリーを離脱し、
オンリー・ワンな立ち位置を
確立すべきではないか
という結論に至ったんです。

そもそも、
The Roomを
クラブと認識していない人もいましたからね(笑)。
外国人のDJの中には、
「シューヤのBAR」って言ってた人もいますから。

だから、
2012年3月31日をもって、
The Roomは
クラブと名乗る事を辞めました。

で、
僕達の存在は
何なんだろうと
自問自答したんです。

SALONなのか?
そんなに洒落たもんじゃない。

PUB?
コンセプト的には新しいけど、
立ち飲みの印象強いなー。

やっぱり
BAR?
いや、ただのBARとは何かが決定的に違う・・・。

The Roomは、
数々のヒット曲を
産み出して来ました。
誰がどう考えても
ルームで火が点いたヒット曲です。

そして、
数々のDJやアーティストを
輩出してきました。

彼らは、
世界で評価される
アーティスト達です。

しかも、
最近では、
The Roomを使って
レコーディングもしているのです。

The Roomでオーガナイズしていた
ジャム・セッションからは
数多くのミュージシャンが
音楽シーンに羽ばたいて行きました。

勿論今も、
週末のレジデント・パーティーでは
優秀な日本人DJ達が
プレイしてくれています。

更には、
僕達がブッキングできないような
海外の大物のDJが仕事ではなく
The Roomに遊びに来てくれて
時には飛び入りでDJを
時には朝まで照明係を
買って出てくれて
時にはセッションで
演奏してくれる事もありました。

そんな場所、
なかなかないでしょ?

それって
世間で言われる所のクラブと
明らかに違うでしょ?

そういう場所って
何て呼ぶのがふさわしいのかな・・・?










































































































溜まり場。

そう、
溜まり場なんです。
The Roomは。

漢字と平仮名を混ぜると
場末の飲み屋みたいな感じがするので、
ここは、
ローマ字で
スマートに
TAMARIBA。

カタカナでも
いいかもしれません。
そう、
タマリバ。

テクノやエレクトロニカのアーティストが、
国籍を不詳にする感覚で。

SUKIYAKI(スキヤキ)
のように
この言葉を世界に広めたい。


人が集い、
音楽と文化が生み出される空間。

今日から
The Roomは
TAMARIBAとして
新しい一歩を
踏み出します。


もともとそうだった訳だから
実は
覚醒したのだ
と言えるかもしれません。

20周年だから
大人になった・・・って方が適切かな。

いや
出世魚のように
呼び方が
変わったのかも(笑)。


くれぐれもご注意頂きたいのは、
店の名前が変わった訳じゃないですよ。

店名は、
あくまで
The Roomです。


20周年を機に、
クラブというカテゴリーを抜け出し、
タマリバという独自のスタンスで
これからも営業を続けて行きます。

渋谷のタマリバ、
The Room。

改めて宜しくお願い致します。