僕の企みとは何か? | 沖野修也オフィシャルブログ Powered by Ameba

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Kyoto Jazz Massive 沖野修也 Official Blog

『UNITED LEGENDS』では
10人のボーカリストを起用したのに、
『DESTINY』では
敢えて
5人のボーカリストした声をかけなかった・・・。

それには
理由があったのです。

僕には
ある企みがあったから・・・。

『UNITED LEGENDS』は、
僕の作曲家としての能力を証明するという課題がありました。

メロディーを全て僕が書く事によって、
「沖野さんって
何やってるんですか?」

という疑問を払拭するだけでなく、
作曲家としてのスタンスを
確立する意味もあったんです。


何回も言いますけど、
DJプロデューサーは
大きく分けると
①監督タイプ
=キャスティングや方向性の決定
②ドラマー・タイプ
=ドラム部分を打ち込み、
キーボード奏者や歌手とコラボ
③トラック・メイカー・タイプ
=歌やラップ以外のプログラミング全てを担当
の3つに括る事ができます。

KYOTO JAZZ MASSIVEでいうと
僕は①、
弟が②ですね。

ただ、
僕やDJ KAWASAKIのように
歌メロを書く人もいます。

KYOTO JAZZ MASSIVEの
「THE BRIGHTNESS OF THESE DAYS」
のメロディーや
「ECLIPSE」、
「SUBSTREAM」の
テーマ(コーラス)部分は僕が手掛けました。

ただ、
KYOTO JAZZ MASSIVEと差別化を図る為に
『UNITED LEGENDS』では、
作曲家に特化した訳です
(音楽的な方向性は
トラック・メイカーにお任せでしたが
キャスティングはしました)。

そして、
『DESTINY』では、
作曲家としての立ち位置を維持しながらも、
改めてDJとしてのこだわりみたいなものを
アルバムに入れてみようと思ったんですよね。

実は
この作品を作るにあたり、
クラブ・ジャズ/
クロスオーバー・ミュージックの
名盤を聴き直してみたんです。

それは、
『UNITED FUTURE ORGANIZATION』(1993)

『NUYORICAN SOUL』(1996)。

共にカバー曲のチョイスが素晴らしい。

印象としては
半分位カバー
(厳密にはそうじゃないんですが、
あくまで印象として・・・)
だったんで、
思い切って
僕の
ニュー・アルバムは
半分カバーで
半分オリジナル、
しかも、
同じボーカリストに
カバーと
オリジナルの両方を
歌ってもらおうかなと。

つまり、
DJとしての選曲のセンスを発揮しつつも
作曲家として
レジェンド達に挑んでみた訳です。

僕の書く曲は
過去の名曲に
拮抗できるレベルにあるのか?


なんて無茶な企みですけど・・・。

僕が尊敬するDJの
パトリック・フォージが指摘するように
日本人アーティスト(特にクラブ・ジャズ系)は
カバーが多い!

でも、
カバーに頼るのではなく、
選曲で
DJの能力を発揮し、
オリジナルで
作曲家として勝負すれば
沖野修也
独自の作品が出来上がるのでは
とも
思ったのです。

デモ段階では
カバーの反応が
極めて良かった事には
焦りましたが・・・(苦笑)。

ちなみに、
パトリックは
決して
カバーを否定していないんですよ。

彼がプロデュースした
MASA SEXTETは全編カバーでしたし。

彼が
言うには
選曲のセンスが良くて、
オリジナルへの敬意があり、
大胆なアレンジが実現できれば

全然OKなんだとか。

その言葉は
意識しましたね。

で、
僕が
5人のボーカリストの為に
何を選んだか?

その話は次回に。