久々のKJMライヴ⑨ | 沖野修也オフィシャルブログ Powered by Ameba

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Kyoto Jazz Massive 沖野修也 Official Blog

翌日、
僕達は
ロンドン組を
フィーチャーした
日本代表のリハーサルの為
スタジオに向かった。

久々のKJMライヴだから
入念なチェックが必要。

何と今回、
ドラム・プログラミングを担当している
好洋が招集メンバーから
外れているので、
今までの
打ち込みと生ドラムを混在させた
KJMのオリジナル・スタイルは
実現不可能・・・。

そこで、
KJM初の
100%生音のライブの敢行を決定。

今までは
SEとMCを担当していた僕も
有機的にバンドに融合できる
初の試みに挑戦。

それは、キーボードに接続した
ディレイとフィルターを駆使して
僕が即興のエフェクト効果を演出する事。

菊地成孔さんのバンドで
ダブ処理を担当する
パードン木村さんなんかが
その第一人者だし、
最近では
野崎良太君なんかが
積極的に導入している手法。

かつて、
ドラムにトリガーを付け
エフェクターを僕がコントロールする事に
トライし、
挫折していた僕の
再チャレンジでもある。

ダブのプロと
ミュージシャンの隙間に
活路を見出した
DJのプライドが
赤道直下で試される事に・・・。

問題点を繰り返し
検討する中で、

構成の把握、
曲の繋ぎ方、
そして、
自由演奏から
ヴォーカルに回帰する
タイミングを確認し、

心地良い
緊張感の中で
僕達は
バンドの完成度を
上げて行く。

6時間の
リハーサルは
あっと言う間に
終了。

勿論、
僕の役割も
随分と明確になった。

休憩中に降り出した
スコールも止んでいる。

冷房が効き過ぎた
スタジオから
メンバーは
路地に繰り出し、

少しだけ
温度を下げた
外気を
楽しんでいる。

若い
夕日が
流れ行く薄い雲に反射していた。

その時だ。

会計をしていた筈のアシスタントが
ドアから
浮かない顔を突き出し、
僕を手招きしている。

「沖野さん、問題が・・・」

僕達のリハは
無事終わったというのに、
トラブルは、
発生したばかりだった・・・。
(つづく)