WORLD WIDE AWARD顛末記その22 | 沖野修也オフィシャルブログ Powered by Ameba

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Kyoto Jazz Massive 沖野修也 Official Blog

1月5日、
ロンドン、
快晴。

その空の色は
ある事を僕に思い出させた。

クリス・フランクが
新しく購入したフラットの
セントラル・ヒーティングが
効き過ぎていたせいかもしれない・・・。

それは、
4年前の
出来事。

WINTER MUSIC CONFIDENCE
の期間中に行われる
COMPOST RECORDSのパーティーに
招待され
僕は
アミアミに滞在していた。

ヤシの樹が
白い砂浜と
海岸沿いに並ぶホテルを
仕切る柵のようにどこまでも続いている。

ビーチにうつむいて寝そべる
豊胸手術済みのブロンド女。
勿論、トップレスで。

今夜のパーティーを
横断幕で告知する
セスナが
混ぜて作ってはいない
純粋な
水色をした
空を横切って行く。

TRUBY TRIOの3人と
レーベル・オーナーの
マイケル・レインボースと
僕が
そんな景色の中で
並んで日光浴。

中東では
戦争が続いていたが、
ここでは
誰も
そんな事に関心を示してはいなかった。

マイアミで、
僕は
思わぬ事態に遭遇する。
ジャイルス絡みの・・・。

BBCが
ジャイルスの番組を
マイアミから出張放送?する事になっていた。
WORLD WIDE in WMC。

TRUBY TRIOの3人とマイケル・レインボースに
連れられ、
ジャイルスの滞在するホテルに向かった。
ロビーから螺旋階段で上がった所にある
会議室に
機材が持ち込まれ
特設スタジオとして使われている。

ルイ・ヴェガ、
ケニー・ドープ、
キング・ブリット、
JAZZANOVA、
TRUBY TRIO、
そして
DWELEといった
錚々たるメンツが勢揃い。

ところが、
僕だけが、
スタジオの中に
招き入れられなかったのだ。

新人の
IRFAN
(当時、JUST A LITTLE LOVIN’が話題沸騰中だったからかもしれないが)
までもが呼び込まれたというのに・・・。

僕は
一人で
会議室の前に置かれていた
バロック調の椅子に
座って
収録が終わるのを
待っていた。

中では
TOP DJ達による
円卓会議が行われている。

英語が話せなかったからかもしれない。
もしくは、
僕の音楽は
彼等と同じレベルに達していなかったのかもしれない。

いずれにせよ、
COMPOSTから作品を発表し、
世界中を旅するようにもなり
WMCにも招聘されるようになったのだから
クラブ・ジャズ・シーンでは
世界ランキング入り(苦笑)を
果たしたと
思い込んでいた
僕には
結構
堪えるシチュエーションだった。

別に
そこで
故意に外されていた訳でなかった。
僕は
そもそも
そこに呼ばれてはいなかったのだから。

そっちの方がまずいか・・・。

キング・ブリットに渡された
宅配のピザの箱?をそっと開けてみる。

"ヤケドする程熱い!!"
との注意書き。

中には、
彼の音楽のサンプルと
バイオグラフィー、
それから、
オモチャのサングラスが一本。

マイアミ用のプレス・キットだ。

僕のひきつった笑いが
レンズに
鈍く
写し出されていた・・・。


それだけに、
今回
WORLD WIDE AWARDへの
参加を
ジャイルスから
打診された事は
素直に嬉しかった。

リベンジ?
名誉挽回?

いやいや
単なる
腕試し(笑)。

TWO BANKS OF FOURや
DRUMLESSONと
同じステージに立つ事は
のぞむところ。

誰が
何の賞を貰うのかは
判らないけれど、
そこに
居合わせる事が
凄く
意味のある事なのだ。

僕にとっては。

(つづく)