怪談?リンチ版「デューン」の音源から、生成A.I.でセリフだけ抽出したら、謎のセリフが現れた。 | 映画復元師シュウさんのブログ

怪談?リンチ版「デューン」の音源から、生成A.I.でセリフだけ抽出したら、謎のセリフが現れた。

今回は、真夏の怪談話じゃないけど、ちょっと驚いたお話。

 

のんびりだけれど、リンチ版「デューン」究極試写版のレストア作業に取り掛かっていて、これまでにも記事で紹介しているように、生成A.I.の技術も使って、色々検証を行っている。

 

その中で、一つの音源から、セリフだけ抜き出せる技術が話題になっている。

「Voice Isolator」というサイトだ。

 

基本的にはサブスクだけれど、ひと月、10分程度の音声の変換なら、毎月無料で試せる(2024.8.時点)。
 

この技術のデモ動画がこちら。

 

どうです?
凄くないですか?

これを使えば、いままで「究極試写版」でさんざん苦労していた音編集で、相当クオリティを上げることができるはず。

 

そこで、さっそく試してみたわけですよ。

お題は、リンチ版「デューン」の未公開シーン。

 

正確には、劇場公開版本編では削除されたけれど、アメリカのTV放映長尺版で復活したシーンなのである。

 

このシーンでは、サンドワームの幼虫の吐き出す体液が、生命の水だったと分かる重要な要素が含まれている。

残念なのは、このTV放映長尺版は、リンチが全く関わっていないため、絶対リンチならしないであろう、酷い選曲や追加素材、そして編集が散りばめられている。

 

このサンドワームの場面でも、厳かなシーンのはずなのに、戦闘時にかかるアゲアゲな曲が差し込まれているのだ。

この音源をきれいに無くして、スティルガーのクリアなセリフが抜き出せれば、音楽や効果音は、僕が持っているサントラや効果音集などで上手く調整出来るのだ。

前置きが異常に長くなってしまったが、そんなわけでこのシーンから、セリフのみを抽出してみた。

すると、ノイズが取り除かれた後から、予想外の”声”が聴こえてきたのでビックリ!!

とりあえず、動画の前半では、オリジナル素材のままをご紹介。

後半では、抜き出したセリフを聴いてもらおう。
ちょっとビックリするよ(たぶん)。

いかがだろうか?

男女の声がしているよね。
それも、このシーンの登場人物がしゃべっている訳でもない。

ポストプロダクション時に、何らかのミスでスタッフの声(?)が入ったと推察する。

 

何かしら言葉をしゃべっているのだが、そこまで明瞭じゃないから、自動翻訳もアテにならない。

一応、自動翻訳にかけたけど、謎のささやき会話の部分では、「踊ろう」「それだけだ」「その領域にあるもの全てだ」という翻訳結果が出た。
サッパリ意味が分からない…😅

個人的には、単なる音声ミックスのミスだと考えている。

(とはいえ、普通あり得ないミスだけれどね)

 

TV長尺放映版の編集時に、スタジオのスタッフに準ずる男女のやり取りが、微かにマイクに乗ってしまったのではないか。

しかし、それに気づく前に、効果音やにぎやかなサントラが被さってしまい、だれもミスに気が付くこともなく、今に至った…。
まあ、普通に考えたら、通常は聞こえないセリフだから、ミスですらないんだけどね。

 

この声を聴いて、意味の分かる方がいたら、ぜひ情報をお知らせください。

 

しっかし、凄い時代になったよね~…😅

 

【深堀菜美のひとくちメモ】

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リンチ版デューンの日本版ブルーレイボックスにはね、レターボックスサイズの劇場公開版と、4:3TVサイズのアメリカTV放映長尺版が入っているんだよ。
この長尺版は、日本独自でアップコンしたから、それなりに高画質に仕上がっていてお買い得なんだよ。

 

そして、こちらの海外版にはね、レターボックスサイズの長尺版が入っているんだって。

残念ながら、日本語字幕は無いけれど、情報量は日本版よりも多い訳だよね~。

そしてこれが、デューンの編集には欠かせない必須アイテム!
TOTO&ブライアン・イーノによるサウンドトラック2枚組だよ。
私は、新作のハンス・ジマーの曲も好きだけど、やっぱりTOTOのゆったりとしたメロディアスな旋律が好きかなあ。